こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
徒然草『あだし野の露消ゆるときなく』の口語訳&品詞分解です。 人の寿命の長さは、当時と今とではかなり違いますね。 ぜひ定期テスト対策にお役立てください!
✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 ✿
徒然草『あだし野の露消ゆるときなく』
あだし野の露消ゆるときなく、 あだし野の露は消えやすいが、そのように消えるということなく、
鳥部山の煙立ち去らでのみ、 鳥部山に立つ(火葬の)煙は消え去ってしまうが、そのように消え去るということなく、
住み果つるならひならば、 この世の限りまで住み通すならわしであるなら、
いかにもののあはれもなからん。 どんなにか物事のしみじみとした情趣もないことだろう。
世は定めなきこそ、いみじけれ。 この世は無常であるからこそ、たいへんすばらしいのだ。
命あるものを見るに、人ばかり久しきはなし。 命があるものを見ると、人間ほど(命が)長いものはない。
かげろふの夕べを待ち、 かげろうが(朝に生まれて)夕方も待たずに死に、
夏の欟の春秋を知らぬもあるぞかし。 夏の欟が春や秋を知らない(で死んでしまうというような短命な生き物の)例もあることだよ。
つくづくと一年を暮らすほどだにも、こよなうのどけしや。 しみじみと一年を暮らす間さえも、このうえなくゆったりと感じられるものだよ。
飽かず、惜しと思はば、 (それを、何年生きても)飽き足りなく思い、(命を)惜しいと思うなら、
千年を過ぐすとも、一夜の夢の心地こそせめ。 たとえ千年を過ごしても、たった一夜の夢のような(はかない)気持ちがするだろう。
住み果てぬ世に、 永久に生き続けることができないこの世に(生き長らえて)、
みにくき姿を待ちえて何かはせん。 老醜の姿を待ち迎えていったいどうしようというのか、どうしようもないのである。
命長ければ辱多し。 長生きをすると恥をかくことが多いものだ。
長くとも四十に足らぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ。 長くても四十歳に足りないくらいで死ぬようなのが、見苦しくないだろう。
そのほど過ぎぬれば、かたちを恥づる心もなく、 その年ごろを過ぎてしまうと、(老い衰えた)容貌を恥じる心もなくなり、
人に出でまじらはんことを思ひ、 人前に出て仲間に入ることを願い、
夕べの陽に子孫を愛して、 傾きかけた夕日のように余命いくばくもない身で子孫に執着して、
さかゆく末を見んまでの命をあらまし、 (彼らが)繁栄していく将来を見届けるまでの長寿を期待し、
ひたすら世をむさぼる心のみ深く、 むやみに名誉や利益をほしがる心ばかりが深くなり、
もののあはれも知らずなりゆくなん、あさましき。 物事の情趣もわからなくなっていくのは、あきれ果てるほど嘆かわしいことである。
※ 品詞分解はこちら → 徒然草『あだし野の露消ゆるときなく』
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