定期テスト対策_古典_源氏物語_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
源氏物語『若紫』の口語訳&品詞分解、後半です。
ぜひテスト対策にご活用ください!

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

源氏物語『若紫』(後半)

尼君、髪をかきなでつつ、
尼君は、(少女の)髪をしきりになでては、

「けづることをうるさがり給へど、をかしの御髪や。
「くしけずることをいやがりなさるけれども、美しい御髪ですこと。

いとはかなうものし給ふこそ、あはれにうしろめたけれ。
(あなたが)たいへんたわいなくていらっしゃるのが、しみじみと心配なことです。

かばかりになれば、いとかからぬ人もあるものを。
これくらいの年ごろになると、もうこんなに子供じみていない人もあるものですのに。

故姫君は、十ばかりにて殿におくれ給ひしほど、
あなたの亡くなった母上は、十歳ぐらいでお父上に先立たれなさったときは、

いみじうものは思ひ知り給へりしぞかし。
たいそう物事を理解していらっしゃったのよ。

ただ今、おのれ見捨て奉らば、
たった今、私が(あなたを)お見捨て申し上げて死んだなら、

いかで世におはせむとすらむ。」とて、
どうやって暮らしていこうとなさるのだろう。」と言って、

いみじく泣くを見給ふも、すずろに悲し。
ひどく泣くのを(源氏は)御覧になるにつけても、わけもなく悲しい。

をさな心地にも、さすがにうちまもりて、
(少女は)幼心地にも、やはり(尼君の顔を)じっと見守って、

伏し目になりてうつぶしたるに、こぼれかかりたる髪、
伏し目になってうつむいたところに、こぼれかかっている髪は、

つやつやとめでたう見ゆ。
つやつやとしてすばらしく見える。

生ひ立たむ ありかも知らぬ 若草を おくらす露ぞ 消えむそらなき
生い育ってからのちの境遇も知れないこの子を残して死ぬ私は、死ぬにも死にきれない気持ちです。

またゐたる大人、
(と尼君が歌をよむと、)またそこに座っていた先輩格の女房は、

「げに。」とうち泣きて、
「ごもっともで。」ともらい泣きして、

はつ草の 生ひゆく末も 知らぬまに いかでか露の 消えむとすらむ
幼いこの姫が育っていく行く先も知らないうちに、どうしてあなたは先立っていこうとするのでしょうか、そんな弱気なことではいけませんよ。

と聞こゆるほどに、僧都あなたより来て、
と申し上げるうちに、僧都があちらからやって来て、

「こなたはあらはにや侍らむ。
「こちらはまる見えではございませんか。

今日しも、端におはしましけるかな。
今日という日に限って、端近においでになったことですね。

この上の聖の方に、源氏の中将の、
この上の聖の坊に、源氏の中将が、

わらはやみまじなひにものし給ひけるを、
わらわやみをご祈昴にお見えになったのを、

ただ今なむ聞きつけ侍る。いみじう忍び給ひければ、
たった今聞きつけました。ごく内々でお忍びでいらっしゃったので、

知り侍らで、ここに侍りながら、
存じませんで、ここにおりますのに、

御とぶらひにもまうでざりける。」とのたまへば、
お見舞いにも参上しませんでしたよ。」とおっしゃると、

「あないみじや。いとあやしきさまを、
「まあたいへんだわ。ひどく見苦しい様子を、

人や見つらむ。」とて、蘗下ろしつ。
誰かが見てしまっただろうか。」と言って、蘗を下ろしてしまった。

「この世にののしり給ふ光源氏、
「世間で評判でいらっしゃる光源氏を、

かかるついでに見奉り給はむや。
この機会に拝見なさってはいかがですか。

世を捨てたる法師の心地にも、
世を捨ててしまった法師の(身である私の)心にも、

いみじう世の憂へ忘れ、よはひ延ぶる人の御ありさまなり。
(見れば)すっかり世の悩みを忘れ、寿命が延びるようなあの方のご様子です。

いで、御消息聞こえむ。」とて立つ音すれば、
さあ、ご挨拶を申し上げよう。」と言って立ち上がる音がするので、

帰り給ひぬ。
(源氏は寺に)お帰りになられた。

※ 品詞分解はこちら
源氏物語『若紫』

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