定期テスト対策_古典_堤中納言物語_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
堤中納言物語『このついで』の口語訳&品詞分解です。
作者も編纂者も成立時期も不明な短編物語集です。
『このついで』は香木を焚いているついでに、三人の女房が物語をする話です。前回の続きから2番目までです。ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

堤中納言物語『このついで』

「『いかばかりあはれと思ふらむ。』と、
(中将の君は)「『(その男は姫君を)どんなにいとおしく思っているだろう。』とか、

『おぼろけならじ。』と言ひしかど、
『(男の愛情のほどは)並ひととおりではあるまい。』と言っ(て、誰の話なのかを聞き出そうとし)たのだが、

たれとも言はで、いみじく笑ひ紛らはしてこそやみにしか。」
(私に話をしてくれた人は)誰のこととも言わないで、ひどく笑い紛らわして話は終わってしまった。」

「いづら、今は中納言の君。」とのたまへば、
(中将の君が)「さあ、今度は中納言の君の番よ。」とおっしゃると、

「あいなきことのついでをも聞こえさせてけるかな。
「つまらない話の糸口を申し上げてしまったものね。

あはれ、ただ今のことは聞こえさせ侍りなむかし。」とて、
そうねえ、最近のことをお話し申し上げましょうね。」と言って、(話し始めた。)

「去年の秋のころばかりに、清水に籠りて侍りしに、かたはらに、
「去年の秋のころに、清水寺に参籠しておりましたところ、(私の局の)そばに、

壯風ばかりをものはかなげに立てたる局の、にほひいとをかしう、
壯風だけを申し訳程度に立てて(仕切って)ある部屋が、薫き物の香りがたいそう優雅で、

人少ななるけはひして、折々うち泣くけはひなどしつつ行ふを、
(同行の)人も少ない感じがして、ときどき忍び泣く様子などしながら仏前のお勤めをしているので、

たれならむと聞き侍りしに、明日出でなむとての夕つ方、
誰だろうと思って聞いておりましたが、(私が)明日(参籠を終えて寺を)出ようという日の夕暮れ方、

風いと荒らかに吹きて、木の葉ほろほろと、滝のかたざまに崩れ、
風がひどく荒々しく吹いて、木の葉がはらはらと、音羽の滝のほうへ乱れ散り、

色濃き紅葉など、局の前にはひまなく散り敷きたるを、
色も濃くなった紅葉などが、部屋の前には隙間なく散り敷いているのを、

この中隔ての壯風のつらに寄りて、
隣の部屋との仕切りの壯風のそばに寄って、

ここにもながめ侍りしかば、
私のほうでもぼんやりともの思いに沈んで眺めておりましたところ、

いみじう忍びやかに、
(隣の局の女性が)たいそうひそやかに、

『いとふ身は つれなきものを 憂きことを あらしに散れる 木の葉なりけり 風の前なる。』

『世をいとうわが身は何事もなく生き長らえているのに、つらいことなどあるまいに、強い風に吹かれて散っている木の葉だよ。風の前の(木の葉がうらやましい)。』

と、聞こゆべきほどにもなく聞きつけて侍りしほどの、
と、(はっきりと)聞こえるはずの大きさでもなく聞きつけましたとき(の私の気持ち)は、

まことにいとあはれにおぼえ侍りながら、
本当にたいそうしみじみと心を打たれたのですが、

さすがにふといらへにくく、
そうは言うもののすぐには歌の返しもしづらく、

つつましくてこそやみ侍りしか。」と言へば、
遠慮してそのままで終わりました。」と言うと、

「いとさしも過ごし給はざりけむとこそおぼゆれ。」
(聞いていた女房は)「とてもそのまま返歌もせずにお過ごしにならなかったろうと思われます。」

「さても、まことならば、くちをしき御ものづつみなりや。」
「それにしても、(あなたが返歌をしなかったというのが)本当なら、残念なご遠慮深さだよ。」(などと言う。)

※ 品詞分解はこちら
堤中納言物語『このついで』

 

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