定期テスト対策_古典_平家物語_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
平家物語『忠度の都落ち』の口語訳&品詞分解です。

弟子である平忠度から和歌を託された藤原俊成は、千載和歌集を編纂するときに彼の歌を詠み人知らずとして載せ、約束を果たします。

前半をアップしてから少し日が空いてしまいましたが、後半です。
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

平家物語『忠度の都落ち』

三位、これを開けて見て、
三位〔俊成〕は、この巻物を開けて見て、

「かかる忘れ形見を給はり置き候ひぬるうへは、
「このような忘れられない形見の品をいただきましたうえは、

ゆめゆめ疎略を存ずまじう候ふ。御疑ひあるべからず。
決しておろそかにしようとは存じません。お疑いなさいますな。

さてもただ今の御渡りこそ、情けもすぐれて深う、
それにしてもただ今のこのお越しは、風雅の心もたいそう深く、

あはれもことに思ひ知られて、感涙おさへがたう候へ。」
感慨もことさらに感じられて、感激の涙をおさえることができません。」

とのたまへば、薩摩守喜んで、
とおっしゃいますと、薩摩守は喜んで、

「今は西海の波の底に沈まば沈め、山野にかばねをさらさばさらせ。
「今はもう西海の波の底に沈むなら沈んでも構わない、山野にしかばねをさらすならさらしても構わない。

浮き世に思ひ置くこと候はず。さらばいとま申して。」
この世に思い残すことはございません。それではおいとま申し上げて(行きましょう)。」

とて、馬にうち乗り甲の緒を締め、西をさいてぞ歩ませ給ふ。
と言って、馬にひらりと乗り甲のひもを締め、西をさして(馬を)歩ませなさる。

三位、後ろをはるかに見送つて立たれたれば、
三位〔俊成〕は、(忠度の)後ろ姿を遠くなるまで見送って立っていらっしゃったところ、

忠度の声とおぼしくて、「前途ほど遠し、
忠度の声と思われて、「前途ほど遠し、

思ひを雁山の夕べの雲に馳す。」
思いを雁山の夕べの雲に馳す(行き先は遥かに遠い、わが思いはこれから越える雁山の夕方の雲に飛んでいる)。」

と、高らかに口ずさみ給へば、俊成卿いとど名残惜しうおぼえて、
と、声高らかに吟じなさるので、俊成卿はいよいよ名残惜しく思われて、

涙をおさへてぞ入り給ふ。
涙をおさえて(門の中へ)お入りになる。

そののち、世静まつて、千載集を撰ぜられけるに、
その後、世の中が平和になって、(俊成偕が)『千載集』をお撰びになったときに、

忠度のありしありさま、言ひ置きし言の葉、
忠度の生前の様子や、言い残した言葉など、

今さら思ひ出でてあはれなりければ、かの巻き物のうちに、
あらためて思い出して感慨深いものがあったので、忠度の残していった例の巻物の中に、

さりぬべき歌、いくらもありけれども、勅勘の人なれば、
ふさわしい歌は、いくらでもあったのだが、天皇のおとがめを受けた人なので、

名字をばあらはされず、故郷の花といふ題にてよまれたりける歌一首ぞ、
姓名を明らかになさらないで、「故郷の花」という題でおよみになった歌一首を、

「よみ人知らず」と入れられける。
「よみ人知らず」としてお入れになった。

さざなみや 志賀の都は 荒れにしを 昔ながらの 山桜かな
志賀の古い都はすっかり荒れ果ててしまったけれど、長等山の山桜だけは、昔ながらに美しく咲いているよ。

その身、朝敵となりにしうへは、
その身は、天皇のおとがめを受けた人となったからには、

子細に及ばずといひながら、
あれこれ言ってもしかたがないと言うものの、

うらめしかりしことどもなり。
(名前を出すこともできず、しかも一首だけということは)残念なことであった。

※ 品詞分解はこちら
平家物語『出家の決意』(後半)

 

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