定期テスト対策_古典_義経記_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
義経記『忠信、吉野山の合戦の事』の口語訳&品詞分解です。

前後半に分けています。ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

義経記『忠信、吉野山の合戦の事』(前半)

山科法眼申しけるは、「落人を入れ添へて、
山科法眼が申したことには、「落人を(宿坊の中に)入れておいて、

夜を明かさんことも心得ず。我ら世にだにもあらば、
(我々が外で)夜を明かすようなことも納得できない。我々が世に栄えてさえいたなら、

これほどの家、一日に一つづつも造りてん。
この(宿坊)ぐらいの家は、一日に一軒ずつでもきっと造ることができるだろう。

ただ焼き出だして射殺せ。」とぞ申しける。
ただ(宿坊を)焼き(落人を中から追い)出して(そこに矢を)射て殺せ。」と申した。

忠信これを聞き、「敵に焼き殺されたりと言はれんずるは、
忠信はこれを聞いて、「敵に焼き殺されたと(世間の人々に)言われたらそれは、

念もなきことなり。手づから焼き死にしけりと言はればや。」と思ひて、
無念なことである。自分で手を下して焼死したと言われたい。」と思って、

壯風一具に火をつけて、天井へ投げ上げたり。大衆どもこれを見て、
壯風一双に火をつけて、天井へ投げ上げた。多くの法師たちはこれを見て、

「あはや、内より火を出だしたるは。出で給はんところを射殺せ。」
「ああ、(宿坊の)中から火をつけたぞ。出ていらしたところを射て殺せ。」

とて、矢を矧げ、太刀、長刀の盖を外して、待ちかけたり。
と言って、矢を(弓に)つがえ、太刀や長刀の盖を外して、待ち構えた。

忠信は思ふほどに焼き上げて、広縁に立ちて申しけるは、
忠信は思う存分に(宿坊を)燃やして、広縁に立って申したことには、

「大衆ども、万事を鎮めてこれを聞け。
「法師たちよ、すべて(の騒ぎ)を収めてこれ(から言うこと)を聞け。

まことに九郎判官殿と思ひ参らするかや。
(おまえたちは私を)本当に九郎判官殿〔義経〕だと思い申し上げているのかよ。

君はいづ方へか落ちさせ給ひけん。
ご主君はどこにお逃げになったろうか。

これは九郎判官にては渡らせ給はぬぞ。
この私は九郎判官ではいらっしゃらないぞ。

御内に佐藤四郎兵衛藤原忠信といふ者なり。
(判官殿の)ご家来の中で佐藤四郎兵衛藤原忠信という者である。

わが討ち取りたる、人の討ち取りたりと言ふべからず。
俺が討ち取った、ほかの誰かが討ち取ったと言うな。

腹切るぞ。首をば取りて、鎌倉殿の見参に入れよや。」
(私は自分で)腹を切るぞ。首を取って、鎌倉殿〔頼朝〕のお目にかけろよ。」

と申して、刀を抜き、左の脇の下を刺し貫くやうにして、
と申して、刀を抜き、左の脇腹を(刀で)刺し(て突き)通すようにして、

刀をば鞘に差して、坊の内へ跳んで返り、走り入り、
刀を鞘に(もとのように)差して、宿坊の中へ跳んで返り、(奥のほうに)走り込み、

内殿の引き梯より天井に上りて見ければ、
奥の部屋の掛け梯子から天井に上って見たところ、

東の鵄尾は、いまだ焼けざりけり。
東の鵄尾は、まだ焼けていなかった。

関板をがばと踏み放し、跳んで出で見ければ、煙と炎は上がりけり。
関板をがばっと踏んで壊し、跳び出して見たところ、煙と炎が上がっていた。

山を切りて崖造りにしたる坊なれば、山と坊の間、
山を切り開いて崖造りにしてある宿坊なので、山と宿坊の間は、

一丈ばかりには過ぎざりけり。
一丈ほど〔約三メートル〕に過ぎなかった。

「これほどの所を跳ね損じて死ぬるほどの業になりては、
「これぐらいの(距離の短い)所を跳び損ねて死ぬ程度のめぐりあわせになったら、

力及ばぬことなり。八幡大菩薩、知見を垂れ給へ。」
私の力ではどうしようもないことである。八幡大菩薩よ、御覧になってお助けください。」

と祈誓して、えい声を出だして跳ねたりければ、
と祈りをこめて、「えい」という掛け声を出して跳んだところ、

後ろの山へ相違なく飛びつきて、上の山にさし上がり、
背後の山へ無事に飛びついて、上の山によじ登り、

松の一むらありける所に鎧脱ぎ、うち敷きて、兜の鉢枕にして、
松が一群れあった所で鎧を脱ぎ、(下に)敷いて、兜の鉢を枕(代わり)にして、

敵のあわてふためくありさまを、心静かに見澄ましてぞゐたりける。
敵がうろたえてばたばたする様子を、落ち着いてじっと見て座っていた。

※ 品詞分解はこちら
平家物語『忠信、吉野山の合戦の事』(前半)

 

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