こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
義経記『忠信、吉野山の合戦の事』の口語訳&品詞分解です。
本日は後半です。ぜひテスト対策にお役立てください。
✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 ✿
義経記『忠信、吉野山の合戦の事』(後半)
大衆申しけるは、「あな、恐ろしや。
法師たちが申したことには、「ああ、驚いたことよ。
九郎判官かと思ひたれば、四郎兵衛にてありけるものを。
九郎判官かと思っていたところ、(本当は)四郎兵衛〔忠信〕であったのになあ。
たばかられて多くの人を討たせつるこそやすからね。
だまされて多くの人を(忠信に)討たせてしまったことが腹立たしい。
大将軍ならばこそ、首を取りて鎌倉殿の見参にも入れめ。
大将軍〔義経〕であったら、首を取って鎌倉殿のお目にもかけように。
憎し。ただ置きて焼き殺せや。」とぞ言ひける。
憎らしい。ただそのままにして焼き殺せよ。」と言った。
火も消え、炎も鎮まりてのち、
火も消え、炎も収まってその後、
「焼けたる首なりとも、六波羅の見参に入れよ。」
「焼けた首であっても、六波羅のお目にかけよ。」
とて、手々に探せども、まことに自害もせざりければ、
と言って、手分けして探すけれども、(忠信は)本当に自害もしなかったので、
焼けたる首もなし。さてこそ大衆は、
焼けた首もない。そういうわけで法師たちは、
「人の心の、剛にても剛なるべきものかな。
「人の心は、剛勇な上にも剛勇であることができるものだなあ。
死にてののちまでも、かばねの上の恥を見えじとてこそ、
死んでその後までも、亡骸になってからの恥辱を(人に)見せまいと思って、
塵灰に焼け失せたるらめ。」と申して、
塵や灰になって焼けてなくなってしまったのだろう。」と申して、
寺中へぞ帰りける。
(それぞれ)寺のほうへ帰って行った。
忠信、その夜は蔵王権現の御前にて夜を明かし、
忠信は、その夜は蔵王権現の御前で夜を明かし、
鎧をば権現の御前に差し置いて、
鎧を権現の御前に置いて、
二十一日のあけぼのに御岳を出でて、二十三日の暮れほどに、
二十一日の明け方に御岳を出て、二十三日の夕方ごろに、
からき命生きて、ふたたび都へぞ入りにける。
危ない命をとりとめて、再び都へ入った(のであった)。
※ 品詞分解はこちら
→義経記『忠信、吉野山の合戦の事』(後半)
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