定期テスト対策_古典_沙石集_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
沙石集の口語訳&品詞分解です。

沙石集鎌倉時代仏教説話集です。今回は歌合せのシーンで、どちらの歌も百人一首に収められている有名な歌です。
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

沙石集「歌ゆゑに命を失ふ事」

天徳の御歌合のとき、兼盛、忠見、
天徳の御歌合のとき、兼盛と忠見は、

ともに御随身にて、左右についてけり。
ともに御随身として左方と右方にそれぞれ加わっていた。

初恋といふ題を給はりて、忠見、名歌よみ出だしたりと思ひて、
「初恋」という題をいただいて、忠見は、名歌を作り出したと思って、

兼盛もいかでこれほどの歌よむべきとぞ思ひける。
兼盛もどうしてこれほどの歌をよむことができようか、いや、よめはしないだろうと思った。

恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
恋をしているという私の評判は、早くも世間に広まってしまったことだよ。人に知られずひそかに思い始めたのに。

さて、すでに御前にて講じて、判ぜられけるに、
そうして、すでに帝の御前で歌をよみあげて、判定なさっていたときに、

兼盛が歌に、
兼盛の歌として、

つつめども 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
(誰にも知られないように)つつみ隠していたが、顔色に表れてしまったことだよ、私の恋は。もの思いをしているのかと人が尋ねるほどに。

判者ども、名歌なりければ、
(という歌が出された。)判者たちは、(ともに)名歌であったので、

判じわづらひて、天気をうかがひけるに、
判定を決めかねて、帝のご意向をうかがったところ、

帝、忠見が歌をば、両三度御詠ありけり。
帝は、忠見の歌を、二、三度口ずさみなさった。

兼盛が歌をば、多反御詠ありけるとき、
兼盛の歌は、何度も繰り返し口ずさみなさった(ので、その)ときに、

天気左にありとて、兼盛勝ちにけり。
帝のご意向は左にあるということで、兼盛が勝ってしまった。

忠見、心憂くおぼえて、心ふさがりて、不食の病つきてけり。
忠見は、落胆して、気がふさいで、食欲がなくなる病気にかかってしまった。

頼みなきよし聞きて、兼盛とぶらひければ、
回復の見込みがないということを聞いて、兼盛が見舞いに行ったところ、

「別の病にあらず。御歌合のとき、
(忠見は)「格別の病気ではない。御歌合のとき、

名歌よみ出だしておぼえ侍りしに、
(私は)名歌を作り出したと思われましたのに、

殿の『ものや思ふと人の問ふまで』に、あはと思ひて、
あなたの「ものや思ふと人の問ふまで」(の歌)に、あれまあと思って、

あさましくおぼえしより、胸ふさがりて、
驚きあきれたことに思われてから、気がふさいで、

かく重り侍りぬ。」と、つひにみまかりにけり。
このように病気が重くなったのです。」と言って、ついに死んでしまった。

執心こそよしなけれども、道を執するならひ、あはれにこそ。
執着する心はよくないけれども、歌道に熱心に打ち込む姿勢は、殊勝なことです。

ともに名歌にて、拾遺に入りて侍るにや。
ともに名歌であるから、『拾遺集』に入集しているのでしょうか。

※ 品詞分解はこちら                                    →沙石集「歌ゆゑに命を失ふ事」

 

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