定期テスト対策_古典_今昔物語集_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
今昔物語集の口語訳&品詞分解です。

今昔物語集は、説話集で、平安後期に編纂されたとされていますが、作者も明確な時期も不明です。すべてのお話が「今は昔、」から始まっていることから、今昔物語集と呼ばれています。
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

今昔物語集「藤原為時、詩を作りて越前守に任ぜらるる語」

今は昔、藤原為時といふ人ありき。
今となっては昔のことだが、藤原為時という人がいた。

一条院の御時に、式部丞の労によりて受領にならむと申しけるに、
一条天皇の御治世に、式部丞を務めた功労によって国司になりたいと申請したが、

除目のとき、闕国なきによりてなされざりけり。
除目のとき、国司が欠員になっている国がなかったので(朝廷は)任命なさらなかった。

そののち、このことを嘆きて、年を隔てて直し物行はれける日、
その後、(為時は)このことを嘆いて、翌年に除目任命の修正が行われなさった日、

為時、博士にはあらねどもきはめて文花ある者にて、
為時は、文章博士ではないけれどもきわめて詩文にすぐれている人であって、

申し文を内侍につけて奉り上げてけり。その申し文にこの句あり。
上申書を内侍司の女官を介して差し上げたのだった。その上申書にこの句があった。

苦 学 寒 夜 紅 涙 霑 襟
(苦学の寒夜紅涙襟を霑し)
寒い夜、そのつらさに耐えて学問に励み、苦しみがきわまって、血の涙が流れて、襟がぐっしょり濡れた。

除 目 後 朝 蒼 天 在 眼
(除目の後朝蒼天眼に在り)
除目に選ばれなかった翌朝は、天はただ青々として、目にしみるのみ。

と。内侍これを奉り上げむとするに、
と。女官がこの詩を差し上げようとすると、

天皇の、そのときに御寝なりて、御覧ぜずなりにけり。
天皇は、そのときにお休みになっていて、御覧にならずに終わってしまった。

しかる間、御堂、関白にておはしましければ、
ところで、御堂〔道長〕は、関白でいらっしゃったので、

直し物行はせ給はむとて内裏に参らせ給ひたりけるに、
除日の修正をなさろうとして参内なさっていたところ、

この為時がことを奏せさせ給ひけるに、
この為時の(申し文の)ことを天皇に奏上なさいましたけれども、

天皇、申し文を御覧ぜざるによりて、その御返答なかりけり。
天皇は、上申書を御覧にならなかったので、そのお返事はなかった。

しかれば、関白殿、女房に問はしめ給ひけるに、女房申すやう、
それで、関白殿は、女房に(お返事のないわけを)お尋ねになると、女房が申すには、

「為時が申し文を御覧ぜしめむとせしとき、
「為時の上申書をお目にかけようとしたとき、

御前御寝なりて御覧ぜずなりにき。」
天皇は(すでに)お休みになっていて御覧にならずじまいでした。」

しかれば、その申し文を尋ね出でて、
そこで、その上申書を探し出して、

関白殿、天皇に御覧ぜしめ給ひけるに、この句あり。
関白殿が、天皇にお目にかけなさったところ、この句があった。

しかれば、関白殿、この句微妙に感ぜさせ給ひて、
そこで、関白殿は、この句をすばらしいと感心なさって、

殿の御乳母子にてありける藤原国盛といふ人のなるべかりける越前守をとどめて、
関白殿の御乳母子であった藤原国盛という人がなるはずであった越前守をひきとどめて、

にはかにこの為時をなむなされにける。これ、ひとへに、
急にこの為時をお任じになった。このことは、ひとえに、

申し文の句を感ぜらるるゆゑなりとなむ、
申請状につけた詩句に感動なさったためだと、

世に為時をほめけるとなむ、語り伝へたるとや。
世間では為時を称賛したと、語り伝えているということだ。

※ 品詞分解はこちら
発心集「藤原為時、詩を作りて越前守に任ぜらるる語

 

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