定期テスト対策_古典_枕草子_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
枕草子の口語訳&品詞分解です。
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

枕草子「宮に初めて参りたるころ」

宮に初めて参りたるころ、もののはづかしきことの数知らず、
中宮様の御前に初めて参上したころ、何を見るにもまともに正視できないことが多々あり、

涙も落ちぬべければ、夜々参りて、
涙もこぼれてしまいそうなので、毎夜(御前に)参上して、

三尺の御几帳の後ろに候ふに、絵など取り出でて見せさせ給ふを、
三尺の御几帳の後ろにお控えしていると、(中宮様は)絵などを取り出してお見せくださるのだが、

手にてもえさし出づまじう、わりなし。
(身を乗り出して拝見するのはもちろん、)手を差し出すこともできないくらいに(緊張して)、恥ずかしくてたまらない。

「これは、とあり、かかり。それが、かれが。」などのたまはす。
「この絵は、こうなっていて、ああなっていて。その人が(こうして)、あの人が(こうして)。」などと(中宮様は)おっしゃる。

高坏に参らせたる大殿油なれば、髪の筋なども、
高坏におともしした灯火なので、髪の筋なども、

なかなか昼よりも顕証に見えてまばゆけれど、
かえって昼間よりもあらわではっきりと見えて恥ずかしいけれども、

念じて見などす。いとつめたきころなれば、
我慢して見たりする。とても寒いころなので、

さし出でさせ給へる御手のはつかに見ゆるが、
袖からのぞいていらっしゃる中宮様のお手でちらりと見えるお手が、

いみじうにほひたる薄紅梅なるは、限りなくめでたしと、
とてもつややかな薄紅梅色なのは、比類なくすばらしいと、

見知らぬ里人心地には、
宮中を見知っていない新参者の気持ちには、

かかる人こそは世におはしましけれと、
こんなすばらしい方がこの世にいらっしゃったのだわと、

おどろかるるまでぞ、まもり参らする。
はっとしてしまうほど、お見つめ申し上げる。

暁にはとく下りなむといそがるる。
暁には早く私室に退出してしまおうとおのずと気がせいてしまうよ。

「呵城の神もしばし。」など仰せらるるを、
「(夜明けの嫌いな)呵城の一言主の神様だってもうしばらく(はいいでしょう)。」などとおっしゃるけれども、

いかでかは筋かひ御覧ぜられむとて、
どうして斜めにでも顔を御覧になられようか、いや、御覧になられずにすませたいと、

なほ伏したれば、御格子も参らず。
やはりうつぶしているので、み格子もお上げしない。

女官ども参りて、「これ、放たせ給へ。」
(掃司の)女官たちが参って、「この格子を、お開けください。」

など言ふを聞きて、女房の放つを、
などと言うのを聞いて、女房が開けるのを、

「まな。」と仰せらるれば、笑ひて帰りぬ。
(中宮様は)「だめです。」とお制しになるので、(事情を察した女官たちは)笑って帰ってしまう。

ものなど問はせ給ひ、のたまはするに、久しうなりぬれば、
(中宮様が)あれこれとお尋ねになり、お話をなさるうちに、時間もたったので、

「下りまほしうなりにたらむ。
「部屋へ下がりたくなってしまっているのでしょう。

さらば、はや。夜さりは、とく。」と仰せらる。
それなら、早く。夜分は、すぐ(おいで)。」と仰せになる。

ゐざり隠るるや遅きと、上げちらしたるに、
(御前から)膝行して姿を隠すや否や、(女官たちが)格子を片っ端から上げると、

雪降りにけり。
(外は)雪が積もっていたのだったよ。

登花殿の御前は、立蔀近くてせばし。雪いとをかし。
登花殿のお庭は、立蔀が近くにめぐらしてあって狭い。雪はとてもきれいだ。

昼つ方、「今日は、なほ参れ。
昼ごろ、「今日は、昼間でも参上しなさい。

雪に曇りてあらはにもあるまじ。」など、
雪で曇って丸見えでもあるまい(から)。」などと、

たびたび召せば、この局のあるじも、
何度もお召しがあるので、部屋の古参格の女房も、

「見苦し。さのみやは籠りたらむとする。
「見ていられない。そんなに引っこんでばかりいようとしてよいものですか。

あへなきまで御前許されたるは、
あっけないほど容易に中宮様の御前へのお目通りが許されたのは、

さおぼしめすやうこそあらめ。
中宮様があなたをお気に召すわけがあるのでしょう。

思ふにたがふはにくきものぞ。」と、ただいそがしに出だし立つれば、
好意にそむくのは憎らしいものよ。」と言って、やたら急がせて出仕させるので、

あれにもあらぬ心地すれど参るぞ、いと苦しき。
無我夢中の気持ちがするけれど参上するのは、本当につらい。

火焼屋の上に降り積みたるも、
火をたいて夜の警護をする庭先の小屋の上に(雪が)積もっている様子も、

めづらしう、をかし。
常とは違って、趣がある。

※ 品詞分解はこちら
枕草子「宮に初めて参りたるころ

 

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