定期テスト対策_古典_源氏物語_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
源氏物語の口語訳&品詞分解です。

ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

源氏物語「紫の上の死」

秋待ちつけて、世の中少し涼しくなりては、
秋(の訪れ)を待ちかねたようにして、世の中(の気候)が少し涼しくなってからは、

御心地もいささかさはやぐやうなれど、
(紫の上の)ご気分も少しはよくなるようだが、

なほともすればかごとがまし。
それでもどうかすると(病気がぶり返して)恨めしい思いになりがちである。

さるは、身にしむばかりおぼさるべき秋風ならねど、
そうかといって、身にしみるほどに(冷たく)お感じになるはずの秋風ではないが、

露けき折がちにて過ぐし給ふ。
露に濡れるように(袖が)涙でしめりがちになりながらお過ごしになる。

中宮は参り給ひなむとするを、
明石の中宮が宮中へ帰参しようとなさるのに対して、

「いましばしは御覧ぜよ。」とも
(紫の上は)「もうしばらくご滞在なさいませ。」とも

聞こえまほしうおぼせども、さかしきやうにもあり、
申し上げたくお思いになるけれども、(中宮に対して)出過ぎたようでもあり、

内裏の御使ひのひまなきもわづらはしければ、
(帰参するようにとの)帝のお使いの絶え間がないのもはばかられるので、

さも聞こえ給はぬに、
そのようにも申し上げなさらないが、かといって

あなたにもえ渡り給はねば、
(ご自身が中宮の御座所である)あちら〔東の対〕にお渡りになることもできないので、

宮ぞ渡り給ひける。
中宮が(紫の上のいる西の対に)お出向きになった。

かたはらいたけれど、
(病み衰えた姿をお見せするのは)気恥ずかしいけれど、

げに見奉らぬもかひなしとて、
いかにもお目にかからないのはかいがないと(紫の上は)お思いになって、

こなたに御しつらひをことにせさせ給ふ。
こちらに(中宮の)御座所を格別に整えさせなさる。

こよなう痩せ細り給へれど、かくてこそ、
(紫の上は)このうえなく痩せ細っていらっしゃるけれど、こうなられてかえって、

あてになまめかしきことの限りなさもまさりてめでたかりけれと、
上品で優美なことのこのうえないさまもまさってすばらしいことだよと、(明石の中宮はご覧になる。)

来し方あまりにほひ多くあざあざとおはせし盛りは、
これまではあまりにも気品のある美しさにすぐれて鮮やかなまで華やかでいらっしゃった女盛りは、

なかなかこの世の花の香りにもよそへられ給ひしを、
むしろこの世の花の美しさにもたとえられていらっしゃったけれど、

限りもなくらうたげにをかしげなる御さまにて、
(今は)限りもなく愛らしく優美な感じのご様子であって、

いとかりそめに世を思ひ給へるけしき、
この世を全くはかないと思っていらっしゃる様子は、

似るものなく心苦しく、すずろにもの悲し。
たとえようもなくいたわしく、わけもなく悲しく思われる。

風すごく吹き出でたる夕暮れに、前栽見給ふとて、
風がもの寂しく吹き始めた夕暮れ時に、庭の植え込みを御覧になるということで、

脇息に寄りゐ給へるを、院渡りて見奉り給ひて、
(紫の上は)脇息に寄りかかっていらっしゃるのを、六条の院〔源氏〕が来て拝見なさって、

「今日は、いとよく起きゐ給ふめるは。この御前にては、
「今日は、とてもよく起きていらっしゃるようですね。明石の中宮の御前では、

こよなく御心も晴れ晴れしげなめりかし。」と聞こえ給ふ。
このうえなくご気分も晴れ晴れしいようですね。」と申し上げなさる。

かばかりのひまあるをも、
この程度の小康状態をも、

いとうれしと思ひ聞こえ給へる御けしきを見給ふも、
とてもうれしいとお思い申し上げなさる(源氏の)ご様子を御覧になるのも、

心苦しく、つひにいかにおぼし騒がむと思ふに、
(紫の上には)いたわしく、いよいよ(最期だ)というときに(源氏が)どんなに動揺なさるだろうと思うと、

あはれなれば、
しみじみと悲しいので、(紫の上のよんだ歌、)

おくと見る ほどぞはかなき ともすれば 風に乱るる 萩の上露

置くと見る間もほんのわずかで、ややもすれば風に散り乱れてしまう、萩の葉の上の露よ。
私が起きていると見るのもほんのわずかな間で、露のように消えてしまいそうな命です。

げにぞ、折れ返りとまるべうもあらぬ、
いかにも、(庭の萩が風に吹かれて)折れ返り、とどまりそうにもない露が、

よそへられたる折さへ忍びがたきを、
(紫の上ご自身に)よそえられた(この秋の)折までも耐えがたい(風情な)ので、

見出だし給ひても、
(源氏も)庭を見やりなさるにつけても、

ややもせば 消えをあらそふ 露の世に おくれ先立つ ほど経ずもがな

どうかすると先を争って消える露のようにはかないこの世に、
死に遅れたり先立ったりする間を置くことなく、あなたと生死をともにしたいのです。

とて、御涙を払ひあへ給はず。宮、
とよんで、お涙をぬぐいきれずにいらっしゃる。中宮は、

秋風に しばしとまらぬ 露の世を たれか草葉の 上とのみ見む

吹く秋風にしばらくの間もとどまることのない露のようなはかないこの世を、
誰が草葉の上だけのことと思うでしょうか(。私たちもはかないことは変わりないのです)。

と聞こえ交はし給ふ御かたちどもあらまほしく、
と歌を交わし申し上げなさるご容貌なども理想的で、

見るかひあるにつけても、
見るかいがあるにつけても、

かくて千年を過ぐすわざもがなとおぼさるれど、
このまま千年を生きるすべがあればいいのになあと(源氏は)お思いにならずにはいられないけれども、

心にかなはぬことなれば、
思うにまかせないことなので、

かけとめむ方なきぞ悲しかりける。
(紫の上の命が絶えようとするのを)ひきとどめるすべがないのは悲しいことであった。

「今は渡らせ給ひね。乱り心地いと苦しくなり侍りぬ。
「今はもう(東の対へ)お引き取りなさいませ。気分がひどく苦しくなりました。

言ふかひなくなりにけるほどと言ひながら、
どうしようもなくやつれてしまったありさまとは言うものの、

いとなめげに侍りや。」とて、
(中宮様に)とても失礼でございますわ。」とおっしゃって、

御几帳引き寄せて臥し給へるさまの、
御几帳を引き寄せて横におなりになっている様子が、

常よりもいと頼もしげなく見え給へば、
いつもよりもたいそう頼りなさそうにお見えになったので、

「いかにおぼさるるにか。」とて、
「どのようなご気分でいらっしゃいますか。」とおっしゃって、

宮は御手をとらへ奉りて泣く泣く見奉り給ふに、
中宮は(紫の上の)お手をお取り申し上げて泣く泣く拝見なさると、

まことに消えゆく露の心地して、限りに見え給へば、
本当に消えてゆく露のように思われて、臨終とお見えになるので、

御誦経の使ひども数も知らず立ち騒ぎたり。
御誦経を頼む使いの者たちが大勢差し向けられる騒ぎとなった。

先々もかくて生き出で給ふ折にならひ給ひて、
以前にもこのような状態になって生き返りなさったとき(があったので、それ)にならいなさって、

御物の怪と疑ひ給ひて、
御物の怪(のせい)とお疑いになって、

夜一夜さまざまのことをし尽くさせ給へど、
夜通しさまざまな手立てをし尽くさせなさったが、

かひもなく、明け果つるほどに消え果て給ひぬ。
効果もなく、夜がすっかり明けるころに命が消え果ててしまわれた。

※ 品詞分解はこちら
源氏物語「紫の上の死

 

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