定期テスト対策_古典_源氏物語_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
源氏物語の口語訳&品詞分解です。

前後半に分けています。
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

源氏物語「薫と宇治の姫君」(前半)

近くなるほどに、
(八の宮の山荘が)近くなるにつれ、

その琴とも聞き分かれぬものの音ども、
何の弦楽器とも聞き分けることのできない楽の音が、

いとすごげに聞こゆ。
たいそう身に寒々としみるように聞こえる。

常にかく遊び給ふと聞くを、
「(八の宮は姫君たちと)いつもこのように合奏していらっしゃると聞いているが、

ついでなくて、親王の御琴の音の名高きも、
機会がなくて、八の宮の琴の琴のご演奏が名高いのも、

え聞かぬぞかし、よき折なるべしと、
聞くこともできないでいるよ。よい折にちがいない。」と、

思ひつつ入り給へば、
(薫は)思いながら(八の宮の山荘に)お入りになると、

琵琶の声の響きなりけり。
(それは琴の琴ではなくて)琵琶の音の響きであったよ。

黄鐘調に調べて、世の常のかきあはせなれど、
黄鐘調に調律して、普通の「かきあわせ」の曲であるが、

所からにや、耳慣れぬ心地して、
場所柄なのであろうか、聞き慣れない気がして、

かき返す撥の音も、もの清げにおもしろし。
かき返す撥の音も、なんとなく澄み透った感じで趣深い。

箏の琴、あはれになまめいたる声して、
箏の琴が、(琵琶の音に交じって)しみじみと優雅な音色で、

絶え絶え聞こゆ。しばし聞かまほしきに、
とぎれとぎれに聞こえる。(薫は)しばらく聞きたく思ったので、

忍び給へど、御けはひしるく聞きつけて、
じっと隠れていらっしゃったのだが、(来訪者の)ご気配をはっきりと聞きつけて、

宿直人めく男、なまかたくなしき、出で来たり。
宿直人めく男で、どことなくものわかりの悪そうなのが、出て来た。

「しかしかなむ、籠りおはします。
「これこれしかじかで、(八の宮様は山寺に)籠っていらっしゃいます。

御消息をこそ聞こえさせめ。」と申す。
お取り次ぎを申し上げさせましょう。」と申し上げる。

「何か。しか限りある御行ひのほどを紛らはし聞こえさせむに、
「いやなに。そのように日数を限った御勤行の間にお心を他に向けさせ申し上げたら、

あいなし。かく濡れ濡れ参りて、
不都合なことだ。このように(露に)濡れながら参上したのに、

いたづらに帰らむ憂へを、姫君の御方に聞こえて、
むなしく帰るというつらさを、姫君の御方に申し上げて、

あはれとのたまはせばなむ、慰むべき。」
『お気の毒に。』と言ってくださったら、慰めとなるだろう。」

とのたまへば、みにくき顔うち笑みて、
とおっしゃるので、(宿直人は)醜い顔に笑みを浮かべて、

「申させ侍らむ。」とて立つを、
「申し上げさせましょう。」と言って立つのを、

「しばしや。」と召し寄せて、
(薫は)「しばらく(待て)よ。」とお呼び寄せなさって、

「年ごろ人づてにのみ聞きて、ゆかしく思ふ
「この数年来人づてに聞くばかりで、聞きたいと思っていた

御琴の音どもを、うれしき折かな、しばし、
(姫君たちの)お琴の合奏を、うれしい機会であることよ、しばらく、

少し立ち隠れて聞くべき、もののくまありや。
ちょっと立ち隠れて聞くことのできる、物陰はあるか。

つきなくさし過ぎて参り寄らむほど、
(私が)時と場をわきまえず出しゃばって近くに参るうちに、

みなことやめ給ひては、いと本意なからむ。」
すっかり琴の演奏をおやめになったら、全く不本意なことだろう。」

とのたまふ。御けはひ、顔かたちの、
とおっしゃる。(薫の)ご様子やご容貌が、

さるなほなほしき心地にも、いとめでたくかたじけなくおぼゆれば、
宿直人のような身分の低い者の気持ちにも、とてもすばらしく恐れ多く思われるので、

「人聞かぬときは、明け暮れかくなむ遊ばせど、
「人が聞いていない折は、朝に夕にこのように演奏なさっているけれど、

下人にても、都の方より参り、
身分の低い者であっても、都のほうから(この邸に)参上し、

立ち交じる人侍るときは、音もせさせ給はず。
入り交じる人がありますときは、音もお立てにならない。

おほかた、かくて女たちおはしますことをば、
おおよそ、このように姫君たちがいらっしゃることを、

隠させ給ひ、なべての人に知らせ奉らじと、
(八の宮は)お隠しになり、世間の人にお知らせ申すまいと、

おぼしのたまはするなり。」と申せば、うち笑ひて、
お考えになっておっしゃるのです。」と申すので、(薫は)少しお笑いになって、

「あぢきなき御もの隠しなり。しか忍び給ふなれど、
「つまらないお隠し事だ。そのようにお隠しになるようだが、

みな人、ありがたき世のためしに、聞き出づべかめるを。」
人々はみな、めったにない世の中の例として、当然聞き知っているようなのに。」

とのたまひて、「なほしるべせよ。
とおっしゃって、「やはり案内しろ。

我はすきずきしき心などなき人ぞ。
私は好色な心などはない者だよ。

かくておはしますらむ御ありさまの、
このようにして(姫君たちが)お過ごしになっていらっしゃるご様子が、

あやしく、げになべてにおぼえ給はぬなり。」と、
不思議で、いかにも世間にありふれたこととはお見受けされないのだ。」と、

こまやかにのたまへば、「あなかしこ。
親しみをこめておっしゃるので、「ああ恐れ多いことです。

心なきやうに、のちの聞こえや侍らむ。」とて、
(ご案内しなければ、私は)無粋な者のように、のちのち世間で評判が立つでしょうか。」と言って、

あなたの御前は、竹の透垣しこめて、
あちらの姫君たちのお部屋の前の庭は、竹で編んだ透垣で囲って、

みな隔て異なるを、教へ寄せ奉れり。
すっかり(こちらとは)囲いが別になっているのを、(薫に)教えて近くにお連れ申し上げた。

御供の人は西の廊に呼び据ゑて、この宿直人あひしらふ。
(薫の)お供の人は西の廊に呼び入れて、この宿直人が接待する。

※ 品詞分解はこちら
源氏物語「薫と宇治の姫君」

 

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