定期テスト対策_古典_しのびね物語_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
しのびね物語の口語訳&品詞分解です。

しのびね物語」は鎌倉前期の擬古物語です。
前回はひそかに出家を決意した中納言が、姫君に別れを告げに行ったのですが、どこかに行くなら自分もつれていけと泣いてすがる姫君をなだめている間に、夜が明けてしまったという場面でした。
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

しのびね物語『偽りの別れ』

「はしたなくならぬほどに出で侍りて、
「(夜が明けて人に見とがめられて)みっともなくならないうちに(ここを)出まして、

暮れはとく御迎へに参らん。たとへ具し奉るとも、
夕暮れは早くお迎えに参ろう。たとえ(あなたを)お連れ申し上げるとしても、

明かくなればいと見苦しからん。またさりとて、
明るくなるとたいそうみっともないだろう。またそうかといって、

このままあるべきならず。さやうに用意して待ち給へ。」と、
このまま(私がここに)いるのもよくない。抜け出すように準備してお待ちなさい。」と、

まことしく言ひ教へて出で給ふ。
真実らしく言って教えて(中納言は部屋を)お出になる。

馬道まで姫君送り給ふに、心強くは出で給へども、
馬道まで姫君が送りなさるが、(中納言は)気を強く持って(部屋を)お出になるものの、

これを限りとおぼせば、有明月くまなきに、
これが最後とお思いになると、有明の月が曇りなく照らすもとに、

立ちとどまり、「暮れはとく御迎ひに参らんよ。」とて、
立ちとどまり、「夕暮れには早くお迎えに参るつもりだよ。」と言って、

御顔をつくづくと見給へば、いみじう泣きはれたる御顔の、
(姫君の)お顔をつくづくと御覧になると、ひどく泣きはれているお顔は、

いよいよ光るやうに白くうつくしければ、御髪をかきやりて、
ますます(月明かりに)輝くように白く美しいので、(中納言は姫君の)御髪をかきなでて、

「かくもの思はせ奉るべき身となりけん宿世こそ心憂けれ。
「(あなたに)こんなにもの思いをおさせ申し上げなければならない身となった前世からの因縁がとてもつらいことだ。

いかなる昔の契りにて、身もいたづらになりぬる。」
どのような前世からの宿縁によって、わが身もむなしくなってしまうのか。」

などかきくどきつつ、出で給ふ。
などと繰り返し嘆き、出て行かれる。

涙にくれて、さらにいづくへ行くともおぼえ給はず。
(中納言は)涙にくれて、全くどこへ行くともおわかりにならない。

姫君は、この暮れにはとおぼして待ち給ひける、
姫君は、今日の夕暮れには(迎えに来てくださる)とお思いになってお待ちになった、

御心のうちぞはかなかりける。中納言、殿へ参り給へば、
お心のうちはむなしいことであったよ。中納言は、父内大臣邸に参上なさると、

いつよりもはなやかにひきつくろひ給へるを、
いつもよりも華やかに身なりを整えていらっしゃるのを、

殿・母上は、いとうつくしとおぼしたり。
父内大臣殿と母上は、とても立派だとお思いになっている。

親たちに見え奉らんも、ただ今ばかりぞかし、
両親にお目にかかるようなことも、ただもう今だけだよ、

もの思はせ奉らんことの罪深く、いと恐ろしけれど、
(両親を)悲しませ申し上げることが罪深く、たいへん恐ろしいが、

まことの道に入りなば、つひには助け奉らんと、
(自分が)仏道に入ったなら、最後にはお助け申し上げることになるだろうと、

心強くおぼし返す。
(中納言は)心強く思い返しなさる。

若君の、何心なく走りありき給ふぞ、
若君が、無心に走り回っていらっしゃるのが、

目もくれてかなしくおぼさるる。
(涙で)目の前も暗くなって悲しく思われなさる。

わが方へおはして、御身のしたためよくして、
(中納言は)自分の部屋にお入りになって、ご自身の(出家への)準備をよく整えて、

姫君の御方への文書き給ふに、涙のこぼれ出でて、
姫君の御方への手紙をお書きになるが、涙がこぼれ出て、

文字も見えず。
(書いている)文字もよく見えないほどである。

※ 品詞分解はこちら
しのびね物語「偽りの別れ」(後半)

 

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