定期テスト対策_古典_西鶴諸国ばなし_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
西鶴諸国ばなしの口語訳&品詞分解です。

西鶴諸国ばなし」は井原西鶴による浮世草子です。
今回は後半部分です。消えた小判の行方は,,,?
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

西鶴諸国ばなし「大晦日は合はぬ算用」

あるじの申すは、「そのうち一両は、
あるじ内助が申すには、「その中の一両は、

さる方へ払ひしに、拙者の覚え違へ。」と言ふ。
ある所へ支払ったのに、私が勘違いしていた。」と(ことを穏便にすまそうと)説明する。

「ただ今まで、たしか十両見えしに、
(しかし、他の連中は)「ただ今まで、確かに十両あったのに、

めいよのことぞかし。とかくはめいめいの身晴れ。」と、
不思議なことだよ。ともかくはめいめいの潔白の証明(が肝要だ)。」と言って、

上座から帯を解けば、その次も改めける。
上座の者から帯を解くと、その次の男も衣服を脱いで調べた。

三人目にありし男、十面作つて、
三人目に座っていた男は、顔をしかめて、

ものをも言はざりしが、膝立て直し、
口もきかずにいたが、居ずまいを正して、正座して、

「浮き世には、かかる難儀もあるものかな。
「この世の中は、こういう面倒なつらいこともあるのだなあ。

それがしは、身振るふまでもなし。
私は、衣服を振って調べるまでもない。

金子一両持ち合はすこそ因果なれ。
金子一両を持ち合わせているのが身の不運のめぐりあわせだ。

思ひもよらぬことに、一命を捨つる。」と、
思いもよらぬ災難で、一命を捨てることになったよ。」と、

思ひ切つて申せば、一座口をそろへて、
覚悟のほどを顔に出して申すので、その座の者は口をそろえて、

「こなたに限らず、あさましき身なればとて、
「あなただけでなく、落ちぶれた浪人風情の我々だからといって、

小判一両持つまじきものにもあらず。」と申す。
小判一両持たぬはずでもない。」と申してなだめる。

「いかにも、この金子の出所は、
(血相を変えた男は)「いかにも、この一両の金子の出所は、

私持ち来たりたる徳乗の小柄、唐物屋十左衛門方へ、
私が長年持っていた後藤徳乗作の小柄を、唐物屋十左衛門の店へ、

一両二歩に、昨日売り候ふこと、
一両二歩で、昨日売りましたことは、

紛れはなけれども、折ふし悪し。
紛れもない事実だが、時機が悪い。

常々語り合はせたるよしみには、
常日ごろ親しく交際してきた縁によって、

生害に及びし跡にて、御尋ねあそばし、
私が自害して果てたあとで、お調べくださり、

かばねの恥を、せめては頼む。」と、
死後の汚名を、せめて晴らしてもらいたい。」と申すやいなや、

申しもあへず、革柄に手を掛くるとき、
申すやいなや、刀の革柄に手を掛けて抜こうとする(。まさにその)とき、

「小判は、これにあり。」と、
「小判は、ここにある。」と言って、

丸行灯の陰より投げ出だせば、
丸行灯のかげから一両を投げ出した(者がいた)ので、

「さては。」と事を静め、
「さては(見つかったか)。」と言って騒ぎを静め、

「ものには念を入れたるがよい。」と言ふとき、
「ものには念を入れて調べたほうがよい。」と言うとき、

内証より、内儀声を立て、
台所から、内助の妻が声を出して、

「小判は、この方へ参つた。」と、
「小判は、こちらに来ておりました。」と言って、

重箱のふたにつけて、座敷へ出だされける。
重箱のふたにつけたまま、(小判を)座敷に出された。

これは宵に、山の芋の煮しめ物を入れて出だされしが、
これは宵のうちに、山芋の煮物を入れて出されたのだが、

その湯気にて取りつきけるか。さもあるべし。
その湯気で(小判が重箱のふたに)くっついたのか。そういうこともあろう。

これでは小判十一両になりける。
これでは小判は十一両になってしまった。

いづれも申されしは、「この金子、
客人皆が申しなさるには、「この金子は、

ひたもの数多くなること、めでたし。」と言ふ
どんどん数多くなることは、めでたいことだ。」と言う。

亭主申すは、
亭主内助は(そうとばかりは言ってはいられないと)申すことには、

「九両の小判、十両の詮議するに、
「九両の小判が、十両(の総額と合わぬ算用)の詮議をしているうちに、

十一両になること、座中金子を持ち合はせられ、
十一両になった。これは、一座の中で金子をお持ち合わせ(の方がおられ)て、

最前の難儀を救はんために、
さきほどの難渋を救おうとして、

御出だしありしは疑ひなし。
(自分の小判を)お出しになったのは間違いない。

この一両、わが方に納むべき用なし。
この一両は、私の方に納めるべきいわれはない。

御主へ返したし。」ときくに、
持ち主のお方に返却したい。」と客に聞くが、

たれ返事のしてもなく、一座異なものになりて、
誰一人として名のり出る者もなく、一座の空気は妙にしらけてしまって、

夜更鶏も鳴く時なれども、
夜更鶏も鳴く真夜中過ぎになっても、

おのおの立ちかねられしに、「このうへは、
皆何となく立つに立たれぬありさまであった。そこで、(一人が)「こうなった以上は、

亭主が所存のとほりに、あそばされて給はれ。」
主人の考えどおりに、お取りはからいいただきたい。」

と願ひしに、「とかく、あるじの心任せに。」
と願ったところ、(皆も)「ともかくも、ご主人の判断に一任(いたしましょう)。」

と申されければ、かの小判を一升桝に入れて、
と申しなさったので、(内助は)問題の小判を一升桝に入れて、

庭の手水鉢の上に置きて、「どなたにても、
庭の手洗い水を入れる鉢の上に置いて、「どなたでも、

この金子の主、取らせられて、御帰り給はれ。」
この金子の持ち主が、お取りになって、お帰りいただきたい。」

と、御客一人づつ立たしまして、
と言って、お客が一人ずつお立ちになって、

一度一度に戸をさしこめて、
一度ごとに戸を閉めて、

七人を七度に出だして、そののち内助は、
七人を七度に分けて帰して、そのあと内助は、

手燭ともして見るに、たれとも知れず取つて帰りぬ。
手燭をともして(桝の中を)見ると、誰とも知れず持ち帰っていた。

あるじ即座の分別、座慣れたる客のしこなし、
亭主内助の即座の工夫、座慣れした客人たちの振る舞い、

かれこれ武士のつきあひ、各別ぞかし。
いずれも武士の交際というものは、格別見事なものであったよ。

※ 品詞分解はこちら
西鶴諸国ばなし「大晦日は合はぬ算用」(後半)

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