定期テスト対策_古典_雨月物語_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
雨月物語の口語訳&品詞分解です。

雨月物語」は上田秋成による江戸時代後期読本です。
昨日の続きからです。ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

雨月物語「浅茅が宿」

水向けの具ものせし中に、木の端を削りたるに、
墓前に供える水の器を並べた中に、木片を削ってあるの(があって、それ)に、

那須野紙の、いたう古びて、
那須野紙で、ずいぶん古びていて、

文字もむら消えしてところどころ見定めがたき、
文字もあちこち消えてところどころ判読できない紙が(貼ってあり)、

まさしく妻の筆の跡なり。
まさしく妻の筆跡である。

法名といふものも年月も記さで、
死者の戒名というものも没した年月も記さず、

三十一字に末期の心をあはれにも述べたり。
(ただ)三十一字の和歌で臨終の気持ちをしみじみと述べてある。

さりともと 思ふ心に はかられて 世にも今日まで 生ける命か
そうはいってもいつかは会えるかもしれないという期待に欺かれて、よくもこの世に今日まで命が生き延びたものだなあ。

ここに初めて妻の死したるを悟りて、
このときに(勝四郎は)初めて妻が死んだことを確認して、

大いに叫びて倒れ伏す。さりとて、何の年、
大きな叫び声を上げて倒れ伏す。しかし、何年、

何の月日に終はりしさへ知らぬあさましさよ。
何月何日に死んだかさえ知らぬ情けなさよ。

人は知りもやせんと、
誰かが知っているかもしれないと、

涙をとどめて立ち出づれば、日高くさし昇りぬ。
涙を抑えて外へ出てみると、もう日は高くさし昇っていた。

勝四郎、翁が高齢を寿きて、次に、
勝四郎は、漆間の翁の長寿を祝して、次に、

京に行きて心ならずもりしより、
京へ行って不本意ながら長期滞在をした経緯から、

前夜のあやしきまでを詳に語りて、
昨夜の不思議な経験までを詳細に語って、

翁が塚を築きて祭り給ふ恩のかたじけなきを告げつつも、
翁が妻の墓を盛って妻を葬り弔ってくださった思いやりがありがたいことと告げながらも、

涙とどめがたし。翁言ふ。
涙を抑えることができなかった。翁はこう言った。

「吾主遠く行き給ひてのちは、
「おまえ様が遠く都へ旅立ちなさったあとは、

夏のころより干戈を揮ひ出でて、里人は所々に遁れ、
夏のころから戦が始まって、里人はあちこちへ逃れ、

若き者どもは軍民に召さるるほどに、
若い者たちは軍兵に召し出されるうちに、

桑田にはかに狐兎の叢となる。
桑畑は見る見るうちに(荒れ果てた)狐や兎の住む草むらになった。

ただ烈婦のみ、
(そういう混乱の中にあって)ただしっかりしたあなたの妻だけは、

主が秋を約ひ給ふを守りて、家を出で給はず。
夫のあなたが秋(には帰る)と約束なさったのを信じて、家をお捨てにならない。

翁もまた足なへぎて百歩をかたしとすれば、
年寄りの私もまた歩行が不自由になって百歩(歩くの)も難しいので、

深く閉てこもりて出でず。
じっと家に閉じこもって外に出ない。

一たび樹神などいふ恐ろしき鬼の栖む所となりたりしを、
(まわりは)たちまち樹神などという恐ろしい妖怪が住む所になったのに、

稚き女子の矢武におはするぞ、
若い女性(であるあなたの妻)が雄々しく耐えておられたのは、

老がもの見たる中のあはれなりし。
老いた私が生涯目にした中でも感動を誘う姿であった。

秋去り春来たりて、その年の八月十日といふに、
(帰郷の約束の)秋が過ぎ春が来て、その年の八月十日という日に、

死り給ふ。惆しさのあまりに、
お亡くなりになる。お気の毒に耐えないので、

老が手づから土を運びて柩を蔵め、
老いた私が自分で土を運んでお棺を安置し、

その終焉に残し給ひし筆の跡を塚のしるしとして、
その臨終の折に残しなさった筆跡を墓のしるしとして、

水向けの祭りも心ばかりにものしけるが、
墓前に水を供えるお弔いもほんの気持ちだけしたが、

翁もとより筆執るわざをしも知らねば、
私はもともと文字が全く書けないので、

その年月を記すこともえせず、
彼女の没年忌日を記すこともできず、

寺院遠ければ贈号を求むるすべもなくて、
寺も遠いので(僧を呼んで)法名を(つけて)もらう手立てもなくて、

五年を過ごし侍るなり。今の物語を聞くに、
そのまま五年を過ごしたのです。今あなたが語った昨夜の怪異を聞くと、

必ず烈婦の魂の来たり給ひて、
きっと気丈なあなたの妻の魂がやって来られて、

久しき恨みを聞こえ給ふなるべし。
(長い間あなたを待ちわびた)積もる恨みを訴え申し上げなさったのだろう。

ふたたびかしこに行きて、ねんごろにとぶらひ給へ。」とて、
もう一度あの場所へ行ってねんごろにお弔いなさい。」と言って、

杖を曳きて先に立ち、あひともに塚の前に伏して、
杖をついて先に立ち、二人とも墓の前に頭を下げて、

声をあげて嘆きつつも、その夜はそこに念仏して明かしける。
声を上げて繰り返し嘆き、その夜はそこで念仏を唱えて明かしたのであった。

※ 品詞分解はこちら
雨月物語「浅茅が宿」(後半)

古文:現代語訳/品詞分解全リストはこちら⇒https://www.prep.kec.ne.jp/blog/28470

*******************
“宇宙一、キミと向き合う塾・予備校”
KEC近畿予備校・KEC近畿教育学院

<公式HP>
KEC近畿予備校・KEC近畿教育学院公式ホームページ

<お問合せ電話番号>
0120-99-1919
*******************