数値計算の工夫

こんにちは。KEC枚方本校アシスタントの神田です。
今年度も残すところあと少しとなりました。国公立志望の方は受験勉強がいよいよ大詰めで、緊張されている方も多いと思います。中には、いまさら頑張っても結果が変わらないんじゃないかと感じている方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
みなさんはこれまで、定期テスト対策を1週間ほどでこなしてきたはずです。各科目、1単元完璧にすれば10点は変わってきます。もうひと踏ん張りしてみましょう。

さて話は変わりますが、みなさん計算は得意でしょうか?
私は計算が、特に具体的な数値を扱う問題が苦手で、入試本番でも後回しにしていました。
問題文の中に有効数字3桁の言葉を見た途端、別の問題に逃げていたものです。
今回はこうした数値計算に少しでも食らいつけるように高校化学を中心としたコツを話していこうと思います。中学範囲でも役に立つ計算も紹介しますので勉強の息抜きに見ていってください。

・9倍、2の累乗倍、5倍の計算
2の累乗というのは2を何回かかけた数のことです。具体的には4、8、16などがあります。こうした数を掛けるときは、ひっ算をやみくもに行うより、2倍を何回かに分けて計算した方が楽になることがあります。
続いて、9倍の計算を行うときは、ひっ算よりも10倍してかける前の数を引く方が簡単になります。たとえば178×9=1780-178=1602のように計算する方が、やりやすいと思います。これは9だけでなく、19倍、49倍など、一桁目が9の数でかける時に使えます。
最後に5倍の計算ですが、これに関してもひっ算するより10倍して2で割る方が簡単なことが多いです。652×5=6520÷2=3260といった具合です。25倍も、100倍して4で割る、という方法が使えます。
また、こうした工夫のできる計算は他の計算(7やもっと複雑な数を掛けたり割ったりする計算)を先にやってから最後に計算すると計算しやすいことがあります。

・1+微小量の計算
物理の計算の時に、「xは十分に小さいので(1+x)のn乗を1+nxと計算してよい」という問題文を見たことがある方もいるのではないでしょうか。
これは数値計算の時にも応用できます。たとえば1.01を3乗するとき、(1+0.01)とみなすと、(1.01の3乗)≒1.03のように計算できます。実際には1.01の3乗は1.030301ですから、有効数字が3桁でも、この近似で十分答えが出てくるわけです。

・上の方法を化学によくある数値計算で活用すると
化学の気体の計算には気体定数として8.3×1000[Pa・L/(mol・K)]が登場します。
このとき問題設定として27℃で計算することが多いです。すると、気体定数と絶対温度を掛ければ249×10000となり、状態方程式を計算するときに250倍してから、かける前の数を引くという方法が使えます。250倍する時にも1000倍して4で割る工夫ができます。8.3倍するのは非常に面倒なので、こうした工夫は活用していきましょう。
続いて気体の圧力が1.013×100000Paと与えられて、この圧力の値で割り算を行うとき、1/1.013は1.013の(ー1)乗ですから、1/1.013≒1-0.013=0.987です。実際、1/1.013=0.98716・・・ですから、有効数字が2ケタ程度であればこの値を使って計算できます。

以上のように、数値計算は面倒ですが、工夫の方法がいくつかあります。
計算が楽になると解くのが早くなるだけではなくミスも減ります
直前期で問題演習に取り組んでいる今こそ、演習を通して自分なりの計算の工夫を探してみて下さい。

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