定期テスト対策_古典_源氏物語_口語訳

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
源氏物語の葵の口語訳です。

牧野高校の方はテスト範囲ですので、ぜひ参考にしてくださいね!

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

源氏物語「葵」

大殿には、御物の怪いたう起こりて、いみじうわずらひ給ふ。
大殿の館では、物の怪がひどく起こって、(葵の上が)とてもお苦しみになる。

「この御生霊、故父大臣の御霊など言ふものあり。」
「ご自分の生霊や、亡き父大臣の死霊だなどと言う者がいる。」

と聞き給ふにつけて、思しつづくれば、
と(六条の御息所が)お聞きになるにつけて、お考え続けになると、

身ひとつの憂き嘆きよりほかに、
自分の身のつらさや嘆きより他には、

人を悪しかれなど思ふ心もなけれど、
他人を不幸になってしまえなどと思う気持ちもないけれども、

もの思はにあくがるなる魂は、さもやあらむ。
物思いで悩んだあげくにさまよい出て行くとかいう魂は、そのようなことなのであろうか。

年ごろ、よろづに思ひ残すことなく過ぐしつくれど、
長年、さまざまに物思いを残すことなく過ごしてきたけれど、

かうしも砕けぬを、はかなきことの折に、
こんなにも思い乱れることもなかった、ちょっとした事の機会に、

人の思ひ消ち、無きものにもてなすさまなりし御禊の後、
あの人(=葵の上)が無視し、いないものとして扱った態度であった御禊の後、

ひとふしに思し浮かれにし心、
その一件によって落ち着かなくなりなさった心が、

鎮まりがたう思さるるけにや、
鎮まりそうもなくお思いにならずにはいられないせいであろうか、

少しうちまどろみ給う夢には、かの姫君とおぼしき人の、
少しうとうととお眠りなさる夢には、あの姫君(=葵の上)と思われる人の、

いと清らにてある所に行きて、
たいそう気品があり美しくしていらっしゃるところに行って、

とかく引きまさぐり、現にも似ず、
あれやこれやと引きかきまわし、目の覚めている状態(=本当の姿)とは違って、

猛く巌きひたぶる心出で来て、
猛々しく激しい一途な心が出て来て、

うちかなぐるなど見え給ふこと、たび重なりにけり。
荒々しくつかんで引っ張る様子などを御覧になることが、度重なってしまった。

「あな、心憂や。げに、身を棄ててや、
(六条の御息所は、)「ああ、つらいことよ。なるほど、(魂が)身体を捨てて、

往にけむ。」と、うつし心ならずおぼえ給ふ折々もあれば、
出て行ってしまったのだろうか。」と、正気でなくお感じになられる時も度々あるので、

「さならぬことだに、人の御ためには、
「そうでもないことでさえ、(わざわざ)他人のためには、

よさまのことをしも言い出でぬ世なれば、
良いようなことは言い出さない世の中なので、

ましてこれはいとよう言ひなりしつべきたよりなり。」
ましてこれは、たいそう上手く悪評を立てることができる良い機会だ。」

と思すに、いと名立たしう、
とお思いになると、たいそう噂になりそうで、

「ひたすら世に亡くなりて後に怨み残すは世の常のことなり。
「一途に、この世からいなくなって後に怨みを残すのは世間でよくある事だ。

それだに、人の上にては、
それ(死んだ後に、恨みが現世に残っていると嫌がられること)でさえ、人の身の上においては、

罪深うゆゆしきを、うつつのわが身ながら、
罪深く不吉であるのに、生きている状態の我が身のままで、

さるうとましきことを言ひつけらるる宿世の憂きこと。
そのようないやなことを噂される因縁のつらいことよ。

すべて、つれなき人にいかで心もかけ聞こえじ。」
もういっさい、薄情な方(=光源氏)に、どうあろうとも心をおかけ申すまい。」

と思し返せど、思ふもものをなり。
とお考え直しになるけれど、思うまいと思うのも物思いするということなのである。

おどろおどろしきさまにはあらず、
(葵の上の方は、)ひどく苦しいという様子ではなく、

そこはかとなくて、月日を過ぐし給ふ。
特に悪いこともなく、月日を過ごしなさる。

大将殿も、常にとぶらひ聞こえ給へど、
大将殿(=光源氏)も、いつもお見舞い申し上げなさるけれど、

まさる方のいたうわずらひ給へば、
さらに大事な方(=葵の上)がひどく患っていらっしゃるので、

御心のいとまなげなり。
お気持ちの休む間もないようである。

 

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定期テスト対策_古典_源氏物語玉の小櫛_口語訳

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
源氏物語の小櫛の口語訳です。

源氏物語玉の小櫛」は本居宣長による「源氏物語」の注釈書です。
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

源氏物語玉の小櫛「もののあはれの論」

さて、物語はもののあはれを知るを旨とはしたるに、
さて、物語は「もののあはれ」を知ることを第一としているが、

その筋にいたりては、儒仏の教へには背けることも多きぞかし。
その文章の筋にいたっては、儒教・仏教の教えに背くことも多いものであるよ。

そは、まづ人の情のものに感ずることには、善悪邪正さまざまある中に、
それは、まず人の感情がものに動かされることとしては、善悪邪正さまざまである中に、

理にたがへることには感ずまじきわざなれども、
道理に背くことに感動してはいけないのだが、

情は我ながらわが心にもまかせぬことありて、
感情は自分の思い通りにならないことがあって、

おのづから忍び難きふしありて、感ずることあるものなり。
自然とがまんできない時があって、感動することがあるものだからだ。

源氏の君の上にて言はば、空蝉の君、朧月夜の君、
源氏の君に関して言うなら、空蝉の君、朧月夜の君、

藤壺の中宮などに心をかけてあひ給へるは、
藤壺の中宮などに心をかけて会ひ〔契りを結び〕なさったのは、

儒仏などの道にて言はんには、よに上もなき、
儒教・仏教の道理で言うなら、本当にこの上もない、

いみじき不義悪行なれば、ほかにいかばかりのよきことあらんにても、
ひどい不義悪行であるので、他にどれほど良いことがあったとしても、

よき人とは言ひ難かるべきに、その不義悪行なるよしをば、
(源氏の君を)良い人とは言いがたいはずだが、それが不義悪行であることを、

さしもたてては言はずして、ただその間のもののあはれの深き方を
それほど取り立てて言わず、ただその間の「もののあはれ」の深い方を

をかへすがへす書きのべて、源氏の君をば旨とよき人の本として、
繰り返し書いて、源氏の君を第一とし手本にとして、

よきことの限りをこの君の上に取り集めたる、
良いことのすべてをこの源氏の君に取り集めているのが、

これ物語の大盲にして、そのよきあしきは
この物語の主旨であって、その良し悪しは

儒仏などの書の善悪と変はりあるけぢめなり。
儒教・仏教の書物の善悪とは異なる違いである〔違うものである〕。

さりとて、かの類ひの不義をよしとするにはあらず。
そうだからと言って、あの種類の(源氏の)不義を良いとするものではない。

そのあしきことは今さら言はでもしるく、
それが悪いことはいまさら言わなくてもはっきりしていて、

さる類ひの罪を論ずることは、おのづからその方の書どもの
そのような種類の罪を論じることは、自然とその方面の書物が

世にここらあれば、もの遠き物語をまつべきにあらず。
世間にはたくさんあるので、縁のない物語に期待するべきではない。

物語は、儒仏などのしたたかなる道のやうに、
物語は、儒教・仏教のようなしっかりとした道理のように、

迷ひをはなれて悟りに入るべき法にもあらず、
迷いを離れて悟りに入る教えでもなく、

また国をも家をも身をも治むべき教へにもあらず。
また国や家や自分自身を治める教えでもない。

ただ世の物語なるがゆゑに、さる筋の善悪の論はしばらくさしおきて、
ただ世間の物語であるので、そのような善悪の論はしばらくさしおいて、

さしもかかはらず、ただものあはれを知れる方の
それほどこだわらず、ただ「もののあはれ」を知っている面が

よきをとりたててよしとはしたるなり。
優れていることを、取り立てて良いとしているのである。

この心ばへをものにたとへて言はば、
この意味をものに例えて言うなら、

蓮値ゑて愛でんとする人の、
蓮を植えて愛でようとする人が、

濁りてきたなくはあれども、泥水を蓄ふるがごとし。
濁って汚いけれども、泥水を蓄えるようなものである。

物語に不義なる恋を書けるも、
物語に不義である恋を書いているのも、

その濁れる泥を愛でてにはあらず、
その濁っている泥を愛でるのではなく、

もののあはれの花を咲かせん料ぞかし。
「もののあはれ」の花を咲かせようとする材料なのだよ。

 

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共通テスト速報2022年古文/「増鏡 とはずがたり」口語訳

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
共通テストを受けられたみなさん、お疲れ様でした!
実力を存分に発揮できていることを祈っています!

本日は1/15にあった、共通テスト古文の口語訳です。
KEC長尾校の松本先生が作ってくださった口語訳(現代語訳)です!
是非確認、見直しにご活用ください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

文章1「増鏡」

院も我が御方にかへりて、うちやすませ給へれど、
院も御自分の部屋に帰って横になられたが、

まどろまれ給はず。
お眠りになることもできない。

ありつる御面影、心にかかりて覚え給ふぞいとわりなき。
先程の斎宮の面影が心の中に残って、忘れられないのはいたしかたないことだ。

「さしはへて聞こえむも、人聞きよろしかるまじ。
「わざわざ自分の思いを書いた手紙をさし上げるのも人聞きがよくなかろう。

いかがはせん」と思し乱る。御はらからと言へど、
どうしようか」と思い乱れておられる。斎宮とは御兄妹とは申しても、

年月よそにて生ひ立ち給へれば、
長い年月、別のところで離れてお育ちになったので、

うとうとしく習ひ給へるままに、
すっかり疎遠になってしまわれておられるので、

慎ましき御思ひも薄くやありけん、
(妹に恋するのはよくないという)遠慮されるお気持も薄かったのであろうか、

なほひたぶるにいぶせくてやみなむは、あかず口惜しと思す。
ただひたすらに思いもかなわず終ってしまうのは残念に思われる。

けしからぬ御本性なりや。
よくない院のご性格であることだなあ。

なにがしの大納言の娘、御身近く召し使ふ人、
とある大納言の娘で身近に召し使う女房(二条:文章Ⅱの作者)が、

かの斎宮にも、さるべきゆかりありて睦ましく参りなるるを召し寄せて、
斎宮にもそれなりの縁があって親しく参り慣れていたが、その者を呼びなさって、

「なれなれしきまでは思ひ寄らず。
「斎宮に対して慣れ慣れしく、深い仲になろうとまでは思ってもいない。

ただ少しけ近き程にて、思ふ心の片端を聞こえむ。
ただ少し近い所で、私の心の片隅を申し上げようと思う。

かく折よき事もいと難かるべし」とせちにまめだちてのたまへば、
こういう良い機会も簡単には得がたいであろう」と熱心に、真面目におっしゃるので、

いかがたばかりけむ、
その女房はどのようにうまく取りはからったのであろうか、

夢うつつともなく近付き聞こえ給へれば、
院が夢ともうつつともなく斎宮にのおそばに近づき申し上げなさったので、

いと心憂しと思せど、
斎宮はつらいこととお思いになったが、

あえかに消え惑ひなどはし給はず。
弱々しく今にも死にそうに、あわてまどうということはなさらない。

 

文章2「とはずがたり」

斎宮は二十に余り給ふ。ねびととのひたる御さま、
斎宮は二十を過ぎたほどでいらっしゃる。立派に成熟なさった様子で、

神も名残を慕ひ給ひけるもことわりに、
伊勢の神様が名残を惜しんだのも道理であるが、

花といはば、桜にたとへても、よそ目はいかがとあやまたれ、
花で言えば桜に例えても、傍目に紛れることがないほどで、

霞の袖を重ぬるひまもいかにせましと思ひぬべき御有様なれば、
顔を袖でお隠しになるのも、美しい桜を霞が隠す様子なので、

ましてくまなき御心の内は、
まして院は見境のない好色なので、

いつしかいかなる御物思ひの種にかと、よそも御心苦しくぞおぼえさせ給ひし。
いつどのように恋心を燃やされるかと、傍目にも心苦しく思えた。

御物語ありて、神路山の御物語などたえだえ聞え給ひて、
お話しなさって、斎宮は伊勢での暮らしの思い出話などを途切れがちにお話しになって、

「今宵はいたう更け侍りぬ。
院が、「今夜はもう夜も更けました。

のどかに明日は、嵐の山のかぶろなる梢どもも御覽じて御帰りあれ」
ゆっくり明日は嵐山の葉を落とした木々の梢でもご覧になってお帰り下さい」

など申させ給ひて、わが御方へ入らせ給ひて、いつしか
と申されて、ご自分の部屋にお入りになって、すぐに私に、

「いかがすべき、いかがすべき」と仰せあり。
「どうしたらいい。どうしたらいい。」とおっしゃる。

思ひつることよとをかしくてあれば、
私はやはり思った通りだと、おもしろく思っていたところ、

「幼くより参りししるしに、このこと申しかなへたらん、
「幼い頃から私に仕えてきたしるしに、今回のことをかなえてくれたら、

まめやかに志ありと思はむ」など仰せありて、
本当に忠実な心があると思おう。」とおっしゃるので、

やがて御使に参る。ただおほかたなるやうに、
私はすぐに使いとして斎宮に参上した。ただありふれた普通のあいさつの伝言のように、

「御対面うれしく、御旅寝すさまじくや」などにて、
「お目にかかれてうれしく思います。慣れない旅寝にご不自由はありませんか」というが、

忍びつつ文あり。氷襲の薄様にや、
ひそかにお手紙を添える。氷襲の薄様でしょうか、

「知られじな 今しも見つる 面影の やがて心に かかりけりとは」
お気づきではないでしょう。たった今お会いしたばかりなのに、すぐに面影が心について離れません。

更けぬれば、御前なる人も皆寄り臥したる。
夜更けになって斎宮の部屋にいる女房たちも皆眠っている。

御主も小几帳ひき寄せて、御とのごもりたるなりけり。
斎宮ご自身も小几帳を引き寄せておやすみになっていた。

近く参りて、事のやう奏すれば、
私は近くに参上して用件を申し上げると、

御顔うちあかめて、いと物ものたまはず。
お顔を赤くして何もおっしゃらない。

文も、見るとしもなくて、うち置き給ひぬ。
手紙をお読みになろうともなさらず、お置きになった。

「何とか申すべき」と申せば、
私は斎宮に「どのようにお返事申し上げましょうか」と申し上げると、

「思ひ寄らぬ御言の葉は、何と申すべき方もなくて」
斎宮は「思いがけないお言葉で、何とも申し上げようがございません」

とばかりにて、また寝給ひぬるも心やましければ、
とだけおっしゃって、再び寝てしまわれたので、

帰り参りてこのよしを申す。
(起こすのは)心苦しいので、帰って院にこの旨を申し上げると、

「ただ寝給ふらむところへ、導け、導け」
「いいから、おやすみになっているところへ案内しろ。早く案内しろ」

と責めさせ給ふもむつかしければ、
と何度もおっしゃるので困った。

御供に参らんことはやすくこそ、しるべして参る。
お供して参るだけなら簡単なので案内して参上した。

甘の御衣などはことごとしければ、御大口ばかりにて、
院は、甘の衣装はおおげさなので大口袴だけでおいでになって、

忍びつつ入らせ給ふ。
斎宮のお部屋にこっそり入りなさるになる。

まづ先に参りて、御障子をやをら開けたれば、
まず私が先に行って襖をそっと開けると、

ありつるままにて御とのごもりたる。
先ほどのままおやすみになっている。

御前なる人も寝入りぬるにや、音する人もなく、
前にいるの女房も眠っているのだろうか、音を立てる人もなく、

小さらかに這ひ入らせ給ひぬる後、
院が小さい体を小さくしてお入りになると、

いかなる御ことどもかありけむ。
そのあとはどんなことがあったのだろうか。

 

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定期テスト対策【古文:現代語訳&品詞分解 全リスト】

こんにちは!枚方市の塾予備校 KEC枚方本校の藤原です

古典の口語語訳と品詞分解リスト更新しました。
定期テスト予想問題&小テストも随時追加しています。
定期テスト対策などにご活用ください!

—- リスト ——————————-

あ行

和泉式部日記『夢よりもはかなき世の中』
和泉式部日記『手枕の袖』

伊勢物語『初冠
伊勢物語『通ひ路の関守
伊勢物語『小野の雪
今物語『やさし蔵人
雨月物語『浅茅が宿』(前半) 
雨月物語『浅茅が宿』(後半) 
宇治拾遺物語『袴垂、保昌に合ふ事』
うたたね『出家の決意』(前半)
うたたね『出家の決意』(後半)

大鏡『三舟の才』予想問題追加
大鏡『雲林院の菩提講』
大鏡『花山天皇の出家』予想問題・小テスト追加
大鏡『道長と伊周―弓争ひ―』予想問題・小テスト追加
大鏡『時平と道真』予想問題追加
大鏡『兼通と兼家の不和』
大鏡『道隆と福足君』
大鏡『道長の豪胆』予想問題・小テスト追加
大鏡『道長と隆家』
おらが春『添へ乳』

か行

蜻蛉日記『うつろいたる菊予想問題追加
蜻蛉日記『泔坏の水』
唐物語『王子戍、戴安道を訪ぬる語
唐物語『王昭君、絵姿を醜く写され、胡の王に嫁ぐ語』
癇癖談「当代の流行」
去来抄『行く春を』
去来抄『下京や』
去来抄『発句論』

源氏物語『光る君の誕生』(前半) 予想問題追加
源氏物語『光る君の誕生』(後半) 予想問題追加
源氏物語『若紫』(前半)
源氏物語『若紫』(後半)
源氏物語「須磨の秋」(前半)
源氏物語「須磨の秋」(後半)
源氏物語「住吉参詣」
源氏物語「明石の姫君の入内」(前半)
源氏物語「明石の姫君の入内」(後半)
源氏物語「紫の上の死」予想問題・小テスト追加
源氏物語「薫と宇治の姫君」(前半)
源氏物語「薫と宇治の姫君」(後半)
源氏物語玉の小櫛「もののあはれの論」
建礼門院右京大夫集『資盛との思ひ出』
建礼門院右京大夫集『悲報到来』
古今著聞集(橘 成季)『小式部内侍が大江山の歌の事』予想問題追加
古今和歌集
今昔物語集「藤原為時、詩を作りて越前守に任ぜらるる語」

さ行

西鶴諸国ばなし『大晦日は合はぬ算用』(前半)
西鶴諸国ばなし『大晦日は合はぬ算用』(後半) 

更級日記『門出』予想問題・小テスト追加
更級日記『源氏の五十余巻』
更級日記『大納言殿の姫君』
しのびね物語『偽りの別れ』(前半) 
しのびね物語『偽りの別れ』(後半) 
沙石集「歌ゆゑに命を失ふ事」
十訓抄『成方の笛』
春夏秋冬
新古今和歌集

た行

竹取物語『帝の求婚
竹取物語『かぐや姫の昇天』(前半)
竹取物語『かぐや姫の昇天』(後半)
玉勝間『師の説になづまざること』
玉勝間『兼好法師が詞のあげつらひ』

堤中納言物語『このついで』①
堤中納言物語『このついで』②
堤中納言物語『このついで』③
徒然草『いでや、この世に生まれては』予想問題追加
徒然草『あだし野の露消ゆるときなく』
徒然草『久しく隔たりて会ひたる人の』
徒然草『名を聞くより』
徒然草『ある者、子を法師になして』
俊頼髄脳「歌のよしあし」
俊頼髄脳「沓冠折句の歌」
とりかえばや物語『父大納言の苦悩』

な行

は行

平家物語『木曾の最期①(最後の合戦)
平家物語『木曾の最期②(巴の戦い)
平家物語『忠度の都落ち』(前半)
平家物語『忠度の都落ち』(後半)
平家物語『能登殿の最期』
風姿花伝
方丈記『ゆく川の流れ』
方丈記『安元の大火』
発心集「叡実、路頭の病者を憐れむ事」

ま行

枕草子『二月つごもりごろに予想問題追加
枕草子『春は、あけぼの』
枕草子『木の花は』
枕草子『かたはらいたきもの』
枕草子『すさまじきもの』予想問題追加
枕草子『村上の先帝の御時に』
枕草子『ふと心劣りとかするものは』
枕草子「宮に初めて参りたるころ」
枕草子「古今の草子を」
枕草子「この草子、目に見え心に思ふことを」
増鏡『後鳥羽院』
増鏡『時頼と時宗』
増鏡『とはずがたり』2022共通テスト

万葉集『夕されば小倉の山に鳴く鹿は今夜は鳴かず寝ねにけらしも』
万葉集『東の野にかげろひの立つ見えてかへりみすれば月かたぶきぬ
万葉集
無名抄「関路の落葉」
無名抄「深草の里」
無名草子「清少納言」
無名草子「紫式部」
無名草子「文」
紫式部日記『若宮誕生』
紫式部日記『日本紀の御局』

や行

大和物語『苔の衣
大和物語『姨捨
義経記『忠信、吉野山の合戦の事』(前半)
義経記『忠信、吉野山の合戦の事』(後半)
義経記『如意の渡りにて義経を弁慶打ち奉る事』

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定期テスト対策_古典_雨月物語_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
雨月物語の口語訳&品詞分解です。

雨月物語」は上田秋成による江戸時代後期読本です。
昨日の続きからです。ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

雨月物語「浅茅が宿」

水向けの具ものせし中に、木の端を削りたるに、
墓前に供える水の器を並べた中に、木片を削ってあるの(があって、それ)に、

那須野紙の、いたう古びて、
那須野紙で、ずいぶん古びていて、

文字もむら消えしてところどころ見定めがたき、
文字もあちこち消えてところどころ判読できない紙が(貼ってあり)、

まさしく妻の筆の跡なり。
まさしく妻の筆跡である。

法名といふものも年月も記さで、
死者の戒名というものも没した年月も記さず、

三十一字に末期の心をあはれにも述べたり。
(ただ)三十一字の和歌で臨終の気持ちをしみじみと述べてある。

さりともと 思ふ心に はかられて 世にも今日まで 生ける命か
そうはいってもいつかは会えるかもしれないという期待に欺かれて、よくもこの世に今日まで命が生き延びたものだなあ。

ここに初めて妻の死したるを悟りて、
このときに(勝四郎は)初めて妻が死んだことを確認して、

大いに叫びて倒れ伏す。さりとて、何の年、
大きな叫び声を上げて倒れ伏す。しかし、何年、

何の月日に終はりしさへ知らぬあさましさよ。
何月何日に死んだかさえ知らぬ情けなさよ。

人は知りもやせんと、
誰かが知っているかもしれないと、

涙をとどめて立ち出づれば、日高くさし昇りぬ。
涙を抑えて外へ出てみると、もう日は高くさし昇っていた。

勝四郎、翁が高齢を寿きて、次に、
勝四郎は、漆間の翁の長寿を祝して、次に、

京に行きて心ならずもりしより、
京へ行って不本意ながら長期滞在をした経緯から、

前夜のあやしきまでを詳に語りて、
昨夜の不思議な経験までを詳細に語って、

翁が塚を築きて祭り給ふ恩のかたじけなきを告げつつも、
翁が妻の墓を盛って妻を葬り弔ってくださった思いやりがありがたいことと告げながらも、

涙とどめがたし。翁言ふ。
涙を抑えることができなかった。翁はこう言った。

「吾主遠く行き給ひてのちは、
「おまえ様が遠く都へ旅立ちなさったあとは、

夏のころより干戈を揮ひ出でて、里人は所々に遁れ、
夏のころから戦が始まって、里人はあちこちへ逃れ、

若き者どもは軍民に召さるるほどに、
若い者たちは軍兵に召し出されるうちに、

桑田にはかに狐兎の叢となる。
桑畑は見る見るうちに(荒れ果てた)狐や兎の住む草むらになった。

ただ烈婦のみ、
(そういう混乱の中にあって)ただしっかりしたあなたの妻だけは、

主が秋を約ひ給ふを守りて、家を出で給はず。
夫のあなたが秋(には帰る)と約束なさったのを信じて、家をお捨てにならない。

翁もまた足なへぎて百歩をかたしとすれば、
年寄りの私もまた歩行が不自由になって百歩(歩くの)も難しいので、

深く閉てこもりて出でず。
じっと家に閉じこもって外に出ない。

一たび樹神などいふ恐ろしき鬼の栖む所となりたりしを、
(まわりは)たちまち樹神などという恐ろしい妖怪が住む所になったのに、

稚き女子の矢武におはするぞ、
若い女性(であるあなたの妻)が雄々しく耐えておられたのは、

老がもの見たる中のあはれなりし。
老いた私が生涯目にした中でも感動を誘う姿であった。

秋去り春来たりて、その年の八月十日といふに、
(帰郷の約束の)秋が過ぎ春が来て、その年の八月十日という日に、

死り給ふ。惆しさのあまりに、
お亡くなりになる。お気の毒に耐えないので、

老が手づから土を運びて柩を蔵め、
老いた私が自分で土を運んでお棺を安置し、

その終焉に残し給ひし筆の跡を塚のしるしとして、
その臨終の折に残しなさった筆跡を墓のしるしとして、

水向けの祭りも心ばかりにものしけるが、
墓前に水を供えるお弔いもほんの気持ちだけしたが、

翁もとより筆執るわざをしも知らねば、
私はもともと文字が全く書けないので、

その年月を記すこともえせず、
彼女の没年忌日を記すこともできず、

寺院遠ければ贈号を求むるすべもなくて、
寺も遠いので(僧を呼んで)法名を(つけて)もらう手立てもなくて、

五年を過ごし侍るなり。今の物語を聞くに、
そのまま五年を過ごしたのです。今あなたが語った昨夜の怪異を聞くと、

必ず烈婦の魂の来たり給ひて、
きっと気丈なあなたの妻の魂がやって来られて、

久しき恨みを聞こえ給ふなるべし。
(長い間あなたを待ちわびた)積もる恨みを訴え申し上げなさったのだろう。

ふたたびかしこに行きて、ねんごろにとぶらひ給へ。」とて、
もう一度あの場所へ行ってねんごろにお弔いなさい。」と言って、

杖を曳きて先に立ち、あひともに塚の前に伏して、
杖をついて先に立ち、二人とも墓の前に頭を下げて、

声をあげて嘆きつつも、その夜はそこに念仏して明かしける。
声を上げて繰り返し嘆き、その夜はそこで念仏を唱えて明かしたのであった。

※ 品詞分解はこちら
雨月物語「浅茅が宿」(後半)

古文:現代語訳/品詞分解全リストはこちら⇒https://www.prep.kec.ne.jp/blog/28470

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定期テスト対策_古典_雨月物語_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
雨月物語の口語訳&品詞分解です。

雨月物語」は上田秋成による江戸時代後期読本です。
今回も前後半に分けて紹介します。
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

雨月物語「浅茅が宿」

妻涙をとどめて、「一たび離れ参らせてのち、
妻は涙を抑えて、「(あなたが出発なさった)あのときお別れ申し上げてから、

たのむの秋より先に、恐ろしき世の中となりて、
再会を頼みにせよとおっしゃった秋より前に、恐ろしい(戦乱の)世の中になって、

里人はみな家を捨てて、海に漂ひ、山に隠れば、
里人はみな家を捨てて、海に漂い、山に隠れたので、

たまたまに残りたる人は、多く虎狼の心ありて、
まれに里に残った人は、多くは恐ろしい心の持ち主で、

かく寡となりしをたよりよしとや、
(女の私が)こうして独り住まいになったのを好都合と思ったか、

言葉を巧みていざなへども、
言葉巧みに言い寄ってきたが、

玉と砕けても
(私は)たとえ玉と砕け散っても〔貞節を守って死ぬことになっても〕、

瓦の全きにはならはじものをと、
汚れた瓦のように〔不義をして生き恥をさらして〕生き長らえることはするまいよと思って、

幾たびか辛苦を忍びぬる。
(いったい)幾度辛苦に耐えてきたことか。

銀河秋を告ぐれども、君は帰り給はず。
天の川が(くっきり見えて)秋を告げるが、あなたはお帰りにならない。

冬を待ち、春を迎へても消息なし。
冬を待ち、春を迎えても何の連絡もない。

今は京に上りて尋ね参らせんと思ひしかど、
こうなったら京へ上って(あなたを)お訪ねしようと思ったが、

丈夫さへ許さざる関の鎖しを、
男性でさえ通行を許さない(厳しい)関所の守りを、

いかで女の越ゆべき道もあらじと、
どうして女の私が越えることのできる道もあろうか、いや、ないだろうとあきらめて、

軒端のまつにかひなき宿に、
軒端の松を眺めて待っても甲斐のないこの家で、

狐・ふくろふを友として、今日までは過ごしぬ。
狐やふくろうを友として、今日までは(むなしく)過ごしました。

今は長き恨みも晴れ晴れとなりぬることの、
(こうして再会できた)今は長年の恨みも晴れ晴れとなってしまいましたことが

うれしく侍り。哮ふを待つ間に恋ひ死なんは、
うれしくてなりません。再会を待ち続ける間に恋い焦がれて死んでしまえば、

人知らぬ恨みなるべし。」と、
(それこそ古歌にいう『人知れず』『恋ひ死』ぬことになって、何のために命を捨てたのかと)
あなたが知らないことへの恨みだけが残ることになりましょう。」と言って、

またよよと泣くを、「夜こそ短きに。」
またよよと泣くのを、(勝四郎は)「(夏の)夜は短いから。」

と言ひ慰めて、ともに臥しぬ。
と言って(妻を)慰めて、夫婦はともに床についた。

窓の紙松風を啜りて、夜もすがら涼しきに、
窓障子の破れが松風を吸い込んで、夜どおし涼しいのに加えて、

途の長手に労れ、うまく寝ねたり。
長旅に疲れたのもあって、ぐっすりと眠った。

五更の天明けゆくころ、
(夜明け近い)午前四時から六時ごろの空が明るくなるころ、

現なき心にもすずろに寒かりければ、
夢うつつの心地にも何やら寒いと感じたので、

衾かづかんと探る手に、何物にや、
夜着をかぶろうとして手探りする手に、(布団はなく)何であろうか(、何やら触れて)、

さやさやと音するに、目覚めぬ。
さやさやと音がするので、目が覚めた。

顔に冷や冷やともののこぼるるを、
顔に冷たいものがしたたるのを、

雨や漏りぬるかと見れば、屋根は風にまくられてあれば、
雨が漏ったかなと思って見上げると、屋根は風にめくり取られているので、

有明月の白みて残りたるも見ゆ。
有明月が空に白く残っているのも見える。

家は扉もあるやなし。
家は板戸も形ばかりで、ないも同然である。

簀噐朽ち發れたるひまより、荻・薄高く生ひ出でて、
簀噐の床が朽ち果てている隙間から、荻や薄が高く生え出して、

朝露うちこぼるるに、袖ひぢてしぼるばかりなり。
朝露が葉からこぼれ落ちるので、袖は濡れてしぼるほどである。

壁には蔦・葛はひかかり、庭は葎に埋もれて、
壁には蔦や葛がはいかかり、庭は葎でびっしり覆われて、

秋ならねども野らなる宿なりけり。
秋ではないのに秋の野原さながらの廃墟であったのだよ。

さてしも、臥したる妻は、いづち行きけん、見えず。
それにしても、ともに臥していた妻は、どこへ行ったのだろうか、姿が見えない。

狐などのしわざにやと思へば、
狐などのしわざ(で、私がだまされたの)かと思って見ると、

かく荒れ果てぬれど、もと住みし家にたがはで、
こんなに荒れ果ててしまったものの、(ここは確かに)もと自分の住んだ家に違いなくて、

広く造りなせし奥わたりより、端の方、
ことさら広く造った奧の間あたりから、端のほう、

稲倉まで、好みたるままのさまなり。
稲倉まで、自分が好んだままの形である。

あきれて足の踏み所さへ忘れたるやうなりしが、
呆然として自分の立っている所さえわからないほどであったが、

つらつら思ふに、妻はすでに死りて、
よくよく考えてみると、妻はすでに死んでいて、

今は狐狸の住み替はりて、
今ここは狐狸が住み替わって、

かく野らなる宿となりたれば、あやしき鬼の化して、
このように野原と変わらぬ廃屋になってしまったので、妖怪となって、

ありし形を見せつるにてぞあるべき。
生前の妻の姿を見せたのであるのにちがいない。

もしまた、我を慕ふ魂の帰り来たりて、
あるいはまた、私を慕う妻の魂がこの世に帰って来て、

かたりぬるものか。
(昨夜一夜、私と)言葉を交わしたものか。

思ひしことのつゆたがはざりしよと、
(とすれば、京を出発するとき)思ったことが的中したのだなあと思うと、

さらに涙さへ出でず。
全く涙すら出ない。

わが身一つはもとの身にしてと、
(何もかも変わってしまった、)わが身だけはもとの身のままなのにと思って、

歩みめぐるに、
(廃墟になった旧居の中を)歩き回ってみると、

昔閨房にてありし所の簀子を払ひ、
昔寝所であった所の床板を取り払い、

土を積みて塚とし、雨露を防ぐまうけもあり。
土を盛り上げて墓とし、雨露を防ぐしかけ〔覆い〕もしてある。

夜の霊はここもとよりやと、
昨夜の(私を迎えてくれた)霊はこの墓から(訪れて来たの)かと思って、

恐ろしくもかつなつかし。
恐ろしくもあるが一方では慕わしい。

※ 品詞分解はこちら
雨月物語「浅茅が宿」(前半)

後半はこちらから

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定期テスト対策_古典_西鶴諸国ばなし_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
西鶴諸国ばなしの口語訳&品詞分解です。

西鶴諸国ばなし」は井原西鶴による浮世草子です。
今回は後半部分です。消えた小判の行方は,,,?
ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

西鶴諸国ばなし「大晦日は合はぬ算用」

あるじの申すは、「そのうち一両は、
あるじ内助が申すには、「その中の一両は、

さる方へ払ひしに、拙者の覚え違へ。」と言ふ。
ある所へ支払ったのに、私が勘違いしていた。」と(ことを穏便にすまそうと)説明する。

「ただ今まで、たしか十両見えしに、
(しかし、他の連中は)「ただ今まで、確かに十両あったのに、

めいよのことぞかし。とかくはめいめいの身晴れ。」と、
不思議なことだよ。ともかくはめいめいの潔白の証明(が肝要だ)。」と言って、

上座から帯を解けば、その次も改めける。
上座の者から帯を解くと、その次の男も衣服を脱いで調べた。

三人目にありし男、十面作つて、
三人目に座っていた男は、顔をしかめて、

ものをも言はざりしが、膝立て直し、
口もきかずにいたが、居ずまいを正して、正座して、

「浮き世には、かかる難儀もあるものかな。
「この世の中は、こういう面倒なつらいこともあるのだなあ。

それがしは、身振るふまでもなし。
私は、衣服を振って調べるまでもない。

金子一両持ち合はすこそ因果なれ。
金子一両を持ち合わせているのが身の不運のめぐりあわせだ。

思ひもよらぬことに、一命を捨つる。」と、
思いもよらぬ災難で、一命を捨てることになったよ。」と、

思ひ切つて申せば、一座口をそろへて、
覚悟のほどを顔に出して申すので、その座の者は口をそろえて、

「こなたに限らず、あさましき身なればとて、
「あなただけでなく、落ちぶれた浪人風情の我々だからといって、

小判一両持つまじきものにもあらず。」と申す。
小判一両持たぬはずでもない。」と申してなだめる。

「いかにも、この金子の出所は、
(血相を変えた男は)「いかにも、この一両の金子の出所は、

私持ち来たりたる徳乗の小柄、唐物屋十左衛門方へ、
私が長年持っていた後藤徳乗作の小柄を、唐物屋十左衛門の店へ、

一両二歩に、昨日売り候ふこと、
一両二歩で、昨日売りましたことは、

紛れはなけれども、折ふし悪し。
紛れもない事実だが、時機が悪い。

常々語り合はせたるよしみには、
常日ごろ親しく交際してきた縁によって、

生害に及びし跡にて、御尋ねあそばし、
私が自害して果てたあとで、お調べくださり、

かばねの恥を、せめては頼む。」と、
死後の汚名を、せめて晴らしてもらいたい。」と申すやいなや、

申しもあへず、革柄に手を掛くるとき、
申すやいなや、刀の革柄に手を掛けて抜こうとする(。まさにその)とき、

「小判は、これにあり。」と、
「小判は、ここにある。」と言って、

丸行灯の陰より投げ出だせば、
丸行灯のかげから一両を投げ出した(者がいた)ので、

「さては。」と事を静め、
「さては(見つかったか)。」と言って騒ぎを静め、

「ものには念を入れたるがよい。」と言ふとき、
「ものには念を入れて調べたほうがよい。」と言うとき、

内証より、内儀声を立て、
台所から、内助の妻が声を出して、

「小判は、この方へ参つた。」と、
「小判は、こちらに来ておりました。」と言って、

重箱のふたにつけて、座敷へ出だされける。
重箱のふたにつけたまま、(小判を)座敷に出された。

これは宵に、山の芋の煮しめ物を入れて出だされしが、
これは宵のうちに、山芋の煮物を入れて出されたのだが、

その湯気にて取りつきけるか。さもあるべし。
その湯気で(小判が重箱のふたに)くっついたのか。そういうこともあろう。

これでは小判十一両になりける。
これでは小判は十一両になってしまった。

いづれも申されしは、「この金子、
客人皆が申しなさるには、「この金子は、

ひたもの数多くなること、めでたし。」と言ふ
どんどん数多くなることは、めでたいことだ。」と言う。

亭主申すは、
亭主内助は(そうとばかりは言ってはいられないと)申すことには、

「九両の小判、十両の詮議するに、
「九両の小判が、十両(の総額と合わぬ算用)の詮議をしているうちに、

十一両になること、座中金子を持ち合はせられ、
十一両になった。これは、一座の中で金子をお持ち合わせ(の方がおられ)て、

最前の難儀を救はんために、
さきほどの難渋を救おうとして、

御出だしありしは疑ひなし。
(自分の小判を)お出しになったのは間違いない。

この一両、わが方に納むべき用なし。
この一両は、私の方に納めるべきいわれはない。

御主へ返したし。」ときくに、
持ち主のお方に返却したい。」と客に聞くが、

たれ返事のしてもなく、一座異なものになりて、
誰一人として名のり出る者もなく、一座の空気は妙にしらけてしまって、

夜更鶏も鳴く時なれども、
夜更鶏も鳴く真夜中過ぎになっても、

おのおの立ちかねられしに、「このうへは、
皆何となく立つに立たれぬありさまであった。そこで、(一人が)「こうなった以上は、

亭主が所存のとほりに、あそばされて給はれ。」
主人の考えどおりに、お取りはからいいただきたい。」

と願ひしに、「とかく、あるじの心任せに。」
と願ったところ、(皆も)「ともかくも、ご主人の判断に一任(いたしましょう)。」

と申されければ、かの小判を一升桝に入れて、
と申しなさったので、(内助は)問題の小判を一升桝に入れて、

庭の手水鉢の上に置きて、「どなたにても、
庭の手洗い水を入れる鉢の上に置いて、「どなたでも、

この金子の主、取らせられて、御帰り給はれ。」
この金子の持ち主が、お取りになって、お帰りいただきたい。」

と、御客一人づつ立たしまして、
と言って、お客が一人ずつお立ちになって、

一度一度に戸をさしこめて、
一度ごとに戸を閉めて、

七人を七度に出だして、そののち内助は、
七人を七度に分けて帰して、そのあと内助は、

手燭ともして見るに、たれとも知れず取つて帰りぬ。
手燭をともして(桝の中を)見ると、誰とも知れず持ち帰っていた。

あるじ即座の分別、座慣れたる客のしこなし、
亭主内助の即座の工夫、座慣れした客人たちの振る舞い、

かれこれ武士のつきあひ、各別ぞかし。
いずれも武士の交際というものは、格別見事なものであったよ。

※ 品詞分解はこちら
西鶴諸国ばなし「大晦日は合はぬ算用」(後半)

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定期テスト対策_古典_西鶴諸国ばなし_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
西鶴諸国ばなしの口語訳&品詞分解です。

西鶴諸国ばなし」は井原西鶴による浮世草子です。
今回は前半部分です。ぜひテスト対策にお役立てください。

✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

西鶴諸国ばなし「大晦日は合はぬ算用」

榧・かち栗・神の松・やま草の売り声もせはしく、
榧の実、かち栗、神棚に飾る松の小枝、正月用の裏白の売り声も忙しく、

餅つく宿の隣に、煤をも払はず、
餅つきをする家々の隣に(餅もつかず)、(年末恒例の)煤払いもせず、

二十八日まで髭もそらず、
二十八日まで髭も剃らず、

朱鞘の反りを返して、
朱塗りの鞘の反りを返して(切るぞという風情よろしく)、

「春まで待てと言ふに、是非に待たぬか。」と、
「(支払いは)春まで待てと言うのに、どうしても待てないのか。」と言って、

米屋の若い者をにらみつけて、
(掛け取りに来た)米屋の若い手代をにらみつけて(追い返し)、

直なる今の世を横に渡る男あり。
(万事)まっすぐに正しく行われている今の世を横車を押して渡る男がいた。

名は原田内助と申して、隠れもなき浪人。
名は原田内助と申して、名の知れわたった浪人。

広き江戸にさへ住みかね、この四、五年、
広い江戸市中にさえ住みにくくなり、この四、五年は、

品川の藤茶屋のあたりに棚借りて、
品川の藤茶屋のあたりに借家住まいをして、

朝の薪にことを欠き、夕べの油火をも見ず。
朝の炊事の薪にも不自由し、夜の灯火の灯油も買えず、明かりがともせない。

これはかなしき年の暮れに、
こんな貧乏のどん底で迎えた年の暮れに、

女房の兄、半井清庵と申して、
妻の兄に、半井清庵と申して、

神田の明神の横町に、薬師あり。
神田明神の横町に、医者がいた(のを頼ることにした)。

このもとへ無心の状をつかはしけるに、
この医者のところに借金を頼む手紙をやったところ、

たびたび迷惑ながら見捨てがたく、
たびたびのことで迷惑だったが見捨てるわけにもいかず、

金子十両包みて、上書に「貧病の妙薬、
小判十枚を(紙に)包んで、上書きとして、「貧病の妙薬、

金用丸、よろづによし。」と記して、
金用丸、万病に効く。」と(薬袋の表書きをもじって)書きつけて、

内儀の方へおくられける。
(内助へではなく)内助の妻あてにお送りになった。

内助喜び、日ごろ別して語る浪人仲間へ、
内助は喜び、常々格別に仲よく交際している浪人仲間へ、

「酒一つ盛らん。」と呼びにつかはし、
「酒を一献差し上げよう。」と呼びにやり、

さいはひ雪の夜のおもしろさ、
さいわいその夜は風情を増す雪の夜、

今までは崩れ次第の柴の戸を開けて、
これまでは崩れたままの柴の戸を開けて、

「さあ、これへ。」と言ふ。
(内助は客人を)「さあ、これへ(お入りください)。」と招き入れる。

以上七人の客、いづれも紙子の袖をつらね、
総勢七人の客は、皆々(安物の防寒具の)紙子の袖をつらね、

時ならぬ一重羽織、どこやら昔を忘れず。
冬の季節には合わない一重羽織(の姿だが)、どことなく昔(の仕官していたころの面影)を忘れない(律儀な身なりである)。

常の礼儀過ぎてから、亭主まかり出でて、
型どおりの挨拶がすんでから、亭主があらためて席に出て参って、

「私、仕合はせの合力を請けて、
「私は、運のよい援助を受けて、

思ひままの正月をつかまつる。」と申せば、
思いのままのよい正月をいたします。」と申すと、

おのおの、「それは、あやかりもの。」と言ふ。
客人たちはめいめい、「それは、(我々もそれに)あやかりたい果報。」とうらやましがる。

「それにつき、上書に一作あり。」と、
(内助は)「それについて、金包みの上書きにおもしろい趣向がしてある。」と言って、

くだんの小判を出だせば、
例の小判の包みを披露すると、

「さても軽口なる御事。」と見て回せば、
「さてさてお上手な洒落だ。」と言って(皆が)回覧するうち、

盃も数重なりて、「よい年忘れ、
盃の数も重なって(宴も終わりに近く)、「気持ちよい年忘れの会で、

ことに長座。」と、千秋楽を謡ひ出し、
ことのほかに長居しました。」と、宴を辞する挨拶を始め、

燗鍋・塩辛壺を手ぐりにしてあげさせ、
燗鍋や塩辛の壺を手渡しして片づけさせ、

「小判もまづ、御しまひ候へ。」と集むるに、
「小判もまずは、おしまいください。」と言って集めてみると、

十両ありしうち、一両足らず。
十両あったうち、一両が足りない。

座中居直り、袖など振るひ、
一座の人々は居ずまいを正し、袖を振るってみたり、

前後を見れども、いよいよないに極まりける。
前後まわりを見て調べたりしたが、いよいよどこにもないという結論になった。

※ 品詞分解はこちら
西鶴諸国ばなし「大晦日は合はぬ算用」(前半)

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定期テスト対策_古典_去来抄_口語訳&品詞分解

こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
去来抄の口語訳&品詞分解です。

「去来抄」は向井去来による江戸時代中期の俳論書です。
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✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 

先師いはく、「発句は
先生がおっしゃるには、「発句は

頭よりすらすらと言ひ下し来たるを上品とす。」
十七字の最初からすらすらとよみ下して来るのを一級品とする。」と。

洒堂いはく、「先師、
洒堂が言うには、「先生は、

『発句は、なんぢがごとく、
『発句は、おまえのように、

二つ三つ取り集めするものにあらず。
(性質の違う素材を)二つも三つも取り合わせて作るものではない。

こがねを打ち延べたるがごとく
黄金を打ち延べたように

なるべし。』となり。」
(一つのことを途切れなく展開させて)作らなければならない。』というお言葉です。」と。

先師いはく、
先生がおっしゃるには、

「発句はものを合はすれば出来せり。
「発句は素材を取り合わせるとできあがってしまう。

そのよく取り合はするを上手といひ、
そのように巧みに取り合わせるのを上手といい、

あしきを下手といふ。」許六いはく、
まずく取り合わせるのを下手という。」と。許六が言うには、

「発句は取り合はせものなり。先師いはく、
「発句は(素材と素材を)取り合わせるものである。先生がおっしゃるには、

『これほどしよきことのあるを人は知らず。』
『これほど作りやすい方法があるのを人は知らない。』

となり。」去来いはく、
というお言葉です。」と。私去来が言うには、

「ものを取り合はせて作するときは、
「素材を取り合わせて(句を)作るときは、

句多く吟速やかなり。
句も多く(できるし、)句を作るのも速やかである。

初学の人、これを思ふべし。
俳諧を始めたばかりの人は、この方法を考え(て句を作)るのがよい。

功成るに及んでは、取り合はす、
上達するに及んでは、(素材を)取り合わせるか、

取り合はせざるの論にあらず。」
取り合わせないかの問題ではない。」と。

※ 品詞分解はこちら
去来抄「発句論」

 

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「去来抄」は向井去来による江戸時代中期の俳論書です。
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去来抄「下京や」

下京や雪つむ上の夜の雨   凡兆
(京の下町、下京では、しばらく前から降り積もった雪が、家々町々を白く覆っている。そこに今夜は気温も上がり、雨がやわらかに降っていて、)雪の上の夜の雨という風情が、下京の雰囲気に何ともぴったりに感じられることだ。

この句、はじめに冠なし。
この句は、当初初句がなかった。

先師をはじめいろいろと置き侍りて、
先生をはじめ門下の皆々もいろいろと初句を置きまして、

この冠にきはめ給ふ。
(先生が)この「下京や」の初句にお定めになった。

凡兆「あ。」と答へて、いまだ落ち着かず。
凡兆は「はあ。」と答えて、まだ納得のいかない様子である。

先師いはく、「兆、
先生のおっしゃるには、「凡兆よ、

なんぢ手柄にこの冠を置くべし。
おまえは立派な仕事としてこの初句をつけよ。

もしまさるものあらば、
もしこれ以上の句があるなら、

我ふたたび俳諧を言ふべからず。」となり。
私は二度と俳諧を口にしないつもりだ。」とのお言葉だった。

去来いはく、「この五文字のよきことは、
去来の言うには、「この初句のすぐれていることは、

たれたれも知り侍れど、このほかにあるまじとは、
誰もみなわかっていますが、これ以外にないだろうとは、

いかでか知り侍らん。
どうしてわかりましょうか、いや、わからないでしょう。

このこと、他門の人聞き侍らば、
このように議論して定めたことを、他門の人が聞きましたら、

腹いたくいくつも冠置かるべし。
笑止千万に思っていくつもの初句を置かれるだろう。

そのよしと置かるるものは、
他門の人がこれでよいとしてお置きになった句は、

またこなたにはをかしかりなんと、思ひ侍るなり。」
また我々にはきっと変にちがいないと、思うことでしょう。」

※ 品詞分解はこちら
去来抄「下京や」

 

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