こんにちは。KEC枚方本校アシスタントの神田です。
国公立の前期の入試が終わり、アルタイルの自習室も少し寂しくなったように感じられます。
私立、国公立ともにほとんどの方は勉強がひと段落ついた頃でしょうか。
まだ後期や中期の試験をひかえている人、また公立高校の入試に向けて勉強している皆さんはあとひと踏ん張りですね。このまま気を緩めることなく、確実に決着をつけてしまいましょう。
さて、今回は数学の積分について話をします。
学習進度としては理系の高校3年生の方が対象ですが、微分積分を習いたての高校2年生の方も興味のある方は頑張って読んでみてください。
中学生や高校1年生などの極限や微分積分の知識が身についていない方には難しいと思いますが、もしよければ途中まででもいいので、そういうものがあるんだなあ、くらいの気持ちで読んでみてください。
では話していきます。
みなさんは微分と聞いてどのような式を思い浮かべるでしょうか。多くの人は
xa → axa-1 (1)
がなじみ深いでしょうか。もし微分の意味がわかっていれば、より一般の式f(x)について
f'(x)=lim(h→0){f(x+h)-f(x)}÷h (2)
と書けることまですぐに思い出すことができるでしょう。右辺が中学生で習う変化の割合の形になっていることがポイントですね。xの増加量がh、yの増加量がf(x+h)ーf(x)です。
この式(2)から、例えば f(x)=xa として代入することで(1)の形が導けます。高校2年生や文系の方でここまでわかっている人は良く勉強できていると思います。
では積分はどうでしょう。積分は微分の逆なので、例えば(1)のような形の関数は
xa → (xa+1)÷(a+1)+C (3)
のように書けるのでした。(3)のような式の他にも、三角関数や指数関数は(2)を使って微分の形を求める事で積分の結果を考えることができます。今回は不定積分の話をしますので、後ろに積分定数と呼ばれるCがついてきます。
ところで(3)の式にはひとつ但し書きが必要です。割り算の形が含まれているのでa+1≠0でなければなりません。もしa=ー1の場合、つまり1/xを積分するのであれば、その結果は
1/x → logx+C (4)
のように、対数関数が出てきます。本来はxが正と負の場合で場合分けして絶対値が出てきますが、ここからはx>0で考えるため無視しても大丈夫です。というのも、もしaが整数でない場合x<0ではxaが虚数になりうるため、x>0で定義します。
さて、a≠ー1では(3)のように簡単に書けたのにa=ー1になった途端、難しい形になってしまいました。例えばa=ー0.9、a=ー1.1の場合でも(3)の形です。では式(3)をa=ー0.99999…のようにー1に近づけていくとどうなるのでしょうか。
このような極限をとる操作を(3)に施すと
lim(a→ー1) {(xa+1)÷(a+1)+C} (3.1)
のように書けます。
この結果、1/(a+1)が±∞に発散してしまうのですが、積分定数Cがー1/(a+1)になっている時、xa+1をetとおくと、t=(a+1)logxより(3.1)は、(a→ー1)が(t→0)となることに注意して
lim(t→0) {(et-1)/t} logx (3.2)
と変形できます。これにネイピア数について成り立つ公式
lim(t→0) {(et-1)/t}=1 (3.3)
を用いれば、
lim(a→ー1) {(xa+1)÷(a+1)+C}=logx
となります。
見事に(3)と(4)が一致しました。
logxとxaは、積分を通してきちんとつながっているんですね。
少し難しい操作もありましたが、もし疑問があれば先生に聞いたりして調べてみてください。
ちなみに数学IIまでしか習っていない方に補足すると、ここで出てきた対数の底はネイピア数と呼ばれる特別な数字で、2.718…と続く無理数になっています。書くのが面倒なので、この数はeと記号で置くのが一般的です。(3.2)に出てきたのもこのeです。また底がこのeに等しい対数は底を省略して書くことになっています。
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