こんにちは。KECの塾・予備校部門,数学・理科担当の川渕です。
先日,テレビのバラエティ番組をみていたときのこと。
「芸人10人が交代で1曲歌う」という企画をやっていました。
この企画のポイントは,交代といっても順番が決まっていないこと。
1曲を10のパートに分けているのですが,それぞれ自分の判断で歌い始めるため,歌う人が被ってしまうことがあります。
「歌う人が被ったらアウト」というルールで,10人が誰とも被らずに歌えるまで,繰り返しチャレンジするというものでした。
さすがに誰とも被らないというのは難しく,芸人の皆さんは苦労している様子。
番組の中で「10人が被らずに歌える確率は,計算上,約1/2756」と紹介されていました。
確率を出されると数学の講師としては気になるところなので,計算してみました。
10人が歌う代わりに,「10人が1から10の間の好きな整数を一斉にいう」とします。
もし10人の数字が被らなければ,その順番で歌えば被ることもありません。
ということで,この問題を「10人が1から10の間の整数を一斉に答えるとき,その数字が被らない確率を求める」と考えます。
まず,すべての答え方が何通りあるかを求めます。
10人がそれぞれ10通りの答えを言うので,すべての答え方は1010(10の10乗)通り。
次に,被らない答え方が何通りあるかを求めます。
答えが被らないときは,10人の答えが1から10のいずれかになっているはずなので,被らない答え方の総数は1から10の並べ方の総数に等しく,10!(10の階乗)通り。
よって,求めたい確率は,
(被らない答え方の総数)/(答え方の総数)
=(10!)÷(1010)
=567/1,562,500
となり,番組内で紹介された確率と一致しません。
ただ,分子を1にすると
約1/2755.73…
となるので,ほぼ,1/2756に等しくなりました。
ついでに,Excelでシミュレーションもしてみました。
AからJの10人分の乱数を3000回発生させて,何回目に一致するかを調べてみました。
何回か調べたのですが,例えば,この時は451回目に一致しました。
RANDBETWEEN(1,10)で1から10の乱数を発生させます。
A~Jの数字が被るかどうか,自分より右の数をすべて調べて被る回数をカウントしています。
被る数が無ければ右のL列からT列の9個の数字はすべて0になります。
※ここでは,L列からT列の和が0になれば「成功」と表示されるようにしています。
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