赤のペンキと青のペンキ【高槻本校】

こんにちは。KECの塾・予備校部門,高槻本校の理科担当の川渕です。
新年度の準備に追われる今日この頃,新規生も増えて忙しい日々を過ごしています。
そんな中,講師の原点(?)にかえって理科の本を読んでいた私は,面白い問題に出会いました。
久しぶりのクイズです。

【問題】
A,B2つのバケツがあって,Aには赤のペンキが,Bには青のペンキが入っています。バケツは同じ大きさで,入っているペンキの量も同じです。ここで,Aの赤のペンキを少量すくい,Bの青のペンキと混ぜます。つぎに,Bの混ざったペンキから同じ量をすくって,Aのバケツに戻します。
そこで問題です。Aに入っている赤のペンキの濃度と,Bに入っている青のペンキの濃度,どちらの方が高いでしょうか?

正解は・・・

・・・

Aの赤のペンキとBの青のペンキの濃度は,同じです。
直観では濃度が異なりそうな気がするのですが,実は,濃度に違いはありません。
その理由をざっくりいうと,それぞれのバケツに入っているペンキの量が変わらないので,AからBに移動した赤ペンキと,BからAに移動した青ペンキの量は同じだから。
・・・ピンと来ないかもしれないので,図で考えてみましょう。

A,Bのバケツに入っているペンキを,10×11のマスに分割してみます。

AからBへ赤ペンキを11マス分移動させます。

次に,BからAへ同量の11マス分ペンキを移動させますが,赤と青が同じ割合になるように縦1列を移動させます。

見た目はちょっと違いますが,Aの赤ペンキとBの青ペンキはどちらも100マス分なので,確かに,Aの赤ペンキとBの青ペンキの濃度は同じであることがわかります。

これは,理科でよく出てくる「保存則」の一例として紹介されていました。
中学では,質量保存の法則やエネルギー保存の法則,高校では,運動量保存の法則や電気量保存の法則でおなじみのやつです。
合計が変わらない保存則ですが,とても便利でよく使います。
保存則に馴染みがあれば,今回のペンキの問題もわかりやすかったのではないでしょうか。

こんな感じで,中学,高校と学習内容が複雑になるにつれて,原理・原則に戻って考えることが大切です。
もうすぐ新学年になりますが,ぜひ,この3月のうちに,今学年の復習をしておきましょう。
KECでは,リスタート講座春期集中講座など,みなさんの復習に役立つ講座を多数ご用意しています。

※参考文献:カムラン・バッファ著,大栗博司監訳,水谷敦訳(2022)『宇宙を解くパズル』講談社ブルーバックスP55-56。

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