こんにちは。塾予備校部門枚方本校の福山です。
共通テストを受けられたみなさん、お疲れ様でした!
実力を存分に発揮できていることを祈っています!
本日は1/15にあった、共通テスト古文の口語訳です。
KEC長尾校の松本先生が作ってくださった口語訳(現代語訳)です!
是非確認、見直しにご活用ください。
✿ 本文:太字、現代語訳:赤字 ✿
文章1「増鏡」
院も我が御方にかへりて、うちやすませ給へれど、
院も御自分の部屋に帰って横になられたが、
まどろまれ給はず。
お眠りになることもできない。
ありつる御面影、心にかかりて覚え給ふぞいとわりなき。
先程の斎宮の面影が心の中に残って、忘れられないのはいたしかたないことだ。
「さしはへて聞こえむも、人聞きよろしかるまじ。
「わざわざ自分の思いを書いた手紙をさし上げるのも人聞きがよくなかろう。
いかがはせん」と思し乱る。御はらからと言へど、
どうしようか」と思い乱れておられる。斎宮とは御兄妹とは申しても、
年月よそにて生ひ立ち給へれば、
長い年月、別のところで離れてお育ちになったので、
うとうとしく習ひ給へるままに、
すっかり疎遠になってしまわれておられるので、
慎ましき御思ひも薄くやありけん、
(妹に恋するのはよくないという)遠慮されるお気持も薄かったのであろうか、
なほひたぶるにいぶせくてやみなむは、あかず口惜しと思す。
ただひたすらに思いもかなわず終ってしまうのは残念に思われる。
けしからぬ御本性なりや。
よくない院のご性格であることだなあ。
なにがしの大納言の娘、御身近く召し使ふ人、
とある大納言の娘で身近に召し使う女房(二条:文章Ⅱの作者)が、
かの斎宮にも、さるべきゆかりありて睦ましく参りなるるを召し寄せて、
斎宮にもそれなりの縁があって親しく参り慣れていたが、その者を呼びなさって、
「なれなれしきまでは思ひ寄らず。
「斎宮に対して慣れ慣れしく、深い仲になろうとまでは思ってもいない。
ただ少しけ近き程にて、思ふ心の片端を聞こえむ。
ただ少し近い所で、私の心の片隅を申し上げようと思う。
かく折よき事もいと難かるべし」とせちにまめだちてのたまへば、
こういう良い機会も簡単には得がたいであろう」と熱心に、真面目におっしゃるので、
いかがたばかりけむ、
その女房はどのようにうまく取りはからったのであろうか、
夢うつつともなく近付き聞こえ給へれば、
院が夢ともうつつともなく斎宮にのおそばに近づき申し上げなさったので、
いと心憂しと思せど、
斎宮はつらいこととお思いになったが、
あえかに消え惑ひなどはし給はず。
弱々しく今にも死にそうに、あわてまどうということはなさらない。
文章2「とはずがたり」
斎宮は二十に余り給ふ。ねびととのひたる御さま、
斎宮は二十を過ぎたほどでいらっしゃる。立派に成熟なさった様子で、
神も名残を慕ひ給ひけるもことわりに、
伊勢の神様が名残を惜しんだのも道理であるが、
花といはば、桜にたとへても、よそ目はいかがとあやまたれ、
花で言えば桜に例えても、傍目に紛れることがないほどで、
霞の袖を重ぬるひまもいかにせましと思ひぬべき御有様なれば、
顔を袖でお隠しになるのも、美しい桜を霞が隠す様子なので、
ましてくまなき御心の内は、
まして院は見境のない好色なので、
いつしかいかなる御物思ひの種にかと、よそも御心苦しくぞおぼえさせ給ひし。
いつどのように恋心を燃やされるかと、傍目にも心苦しく思えた。
御物語ありて、神路山の御物語などたえだえ聞え給ひて、
お話しなさって、斎宮は伊勢での暮らしの思い出話などを途切れがちにお話しになって、
「今宵はいたう更け侍りぬ。
院が、「今夜はもう夜も更けました。
のどかに明日は、嵐の山のかぶろなる梢どもも御覽じて御帰りあれ」
ゆっくり明日は嵐山の葉を落とした木々の梢でもご覧になってお帰り下さい」
など申させ給ひて、わが御方へ入らせ給ひて、いつしか
と申されて、ご自分の部屋にお入りになって、すぐに私に、
「いかがすべき、いかがすべき」と仰せあり。
「どうしたらいい。どうしたらいい。」とおっしゃる。
思ひつることよとをかしくてあれば、
私はやはり思った通りだと、おもしろく思っていたところ、
「幼くより参りししるしに、このこと申しかなへたらん、
「幼い頃から私に仕えてきたしるしに、今回のことをかなえてくれたら、
まめやかに志ありと思はむ」など仰せありて、
本当に忠実な心があると思おう。」とおっしゃるので、
やがて御使に参る。ただおほかたなるやうに、
私はすぐに使いとして斎宮に参上した。ただありふれた普通のあいさつの伝言のように、
「御対面うれしく、御旅寝すさまじくや」などにて、
「お目にかかれてうれしく思います。慣れない旅寝にご不自由はありませんか」というが、
忍びつつ文あり。氷襲の薄様にや、
ひそかにお手紙を添える。氷襲の薄様でしょうか、
「知られじな 今しも見つる 面影の やがて心に かかりけりとは」
お気づきではないでしょう。たった今お会いしたばかりなのに、すぐに面影が心について離れません。
更けぬれば、御前なる人も皆寄り臥したる。
夜更けになって斎宮の部屋にいる女房たちも皆眠っている。
御主も小几帳ひき寄せて、御とのごもりたるなりけり。
斎宮ご自身も小几帳を引き寄せておやすみになっていた。
近く参りて、事のやう奏すれば、
私は近くに参上して用件を申し上げると、
御顔うちあかめて、いと物ものたまはず。
お顔を赤くして何もおっしゃらない。
文も、見るとしもなくて、うち置き給ひぬ。
手紙をお読みになろうともなさらず、お置きになった。
「何とか申すべき」と申せば、
私は斎宮に「どのようにお返事申し上げましょうか」と申し上げると、
「思ひ寄らぬ御言の葉は、何と申すべき方もなくて」
斎宮は「思いがけないお言葉で、何とも申し上げようがございません」
とばかりにて、また寝給ひぬるも心やましければ、
とだけおっしゃって、再び寝てしまわれたので、
帰り参りてこのよしを申す。
(起こすのは)心苦しいので、帰って院にこの旨を申し上げると、
「ただ寝給ふらむところへ、導け、導け」
「いいから、おやすみになっているところへ案内しろ。早く案内しろ」
と責めさせ給ふもむつかしければ、
と何度もおっしゃるので困った。
御供に参らんことはやすくこそ、しるべして参る。
お供して参るだけなら簡単なので案内して参上した。
甘の御衣などはことごとしければ、御大口ばかりにて、
院は、甘の衣装はおおげさなので大口袴だけでおいでになって、
忍びつつ入らせ給ふ。
斎宮のお部屋にこっそり入りなさるになる。
まづ先に参りて、御障子をやをら開けたれば、
まず私が先に行って襖をそっと開けると、
ありつるままにて御とのごもりたる。
先ほどのままおやすみになっている。
御前なる人も寝入りぬるにや、音する人もなく、
前にいるの女房も眠っているのだろうか、音を立てる人もなく、
小さらかに這ひ入らせ給ひぬる後、
院が小さい体を小さくしてお入りになると、
いかなる御ことどもかありけむ。
そのあとはどんなことがあったのだろうか。
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